episode22.2 ページ27
「さくら…?」
遠回りをしていたら、
手頃な広場を見つけた。
とりあえず飲み直すか、と
コンビニで買った缶チューハイを開けて、
ベンチに座る。
すると、少し遠くから、
遠慮がちに名前を呼ばれる。
『え……あ…』
これは、暗くて、
何も見えなくてもわかる。
この声は、
あのシルエットは、
…ぷんちゃんだ。
私が間違えるはずない。
幻覚?
飲みすぎた??
「やっぱり、さくらや!
こんな時間にこんなところで酒盛りとは…
関心せんなー!w」
『……ぷんちゃん』
「おう! 久しぶり。」
いつもの笑顔のぷんちゃんは、
どこか複雑そうに見えた。
…複雑な気持ちになってくれればいいのにという、
私の気持ちがそう見せたのかもしれない。
私から、
人一人分ほどの距離を開けて座るぷんちゃん。
ぷんちゃんとのこの距離は、
なんだか違和感を感じる。
しばらく沈黙が流れるが、
ぷんちゃんとの沈黙が、
こんなに居心地が悪いと感じるのは初めてだ。
「あー…最近どうなん?
元気してる?」
気まずさに耐えかねたぷんちゃんが口を開く。
最近のぷんちゃんは忙しすぎるのか、
関西組との集まりにも顔を出さない。
悠斗でさえ、
たまにしか連絡とれないと言っていた。
とりあえず、
最近の皆の状況を話すと、
楽しそうに話を聞くぷんちゃんは、
どれだけ有名になっても、あのころと何も変わらない。
『それで、悠斗がね?』
久しぶりにぷんちゃんと話したことと、
昔のように戻れたことが嬉しくて、
いろんな話をしていると、
だんだんぷんちゃんからの反応が薄くなってきた。
やばい、調子に乗って話すぎたかな。
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ゴリラ(プロフ) - ご指摘、ありがとうございます。外しました。申し訳ありませんでした。 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 92baebc47b (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年8月12日 16時) (レス) id: 484c9d624e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゴリラ | 作成日時:2017年7月11日 1時