episode19.2 ページ18
近くの公園に場所をうつす。
このあたりは住宅街で、
日曜日とはいえ、
静けさを保っている。
少し離れた遊具で、子供たちが2、3人遊んでいる程度だ。
どちらからともなくベンチに腰かけ、
しばしお互いに無言になる。
ちょっと待ってろ、と、
石田くんが立ち上がり、
一人になって思考をめぐらすと、
思い出すのは昨日のこと。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、
深呼吸をして空を仰ぎ見る。
「で?
どうした?」
戻ってきた石田くんは、
私にいちごミルクの紙パックを渡しながら問う。
こうゆう時の石田くんは、
静かに話しを聞いて、
最期はなんでもなかったように、あっそ。とだけつぶやくんだ。
だから私も、石田くんには話してしまえる。
『昨日、お昼にね、話があるってぷんちゃんから連絡きたんだ。
で、その話を帰ってからしたの。』
「…ふーん。」
ぷんちゃんが某動画サイトで、
少し有名なことを石田くんも知っている。
そこで、踊り手さん仲間から、ユニットを組まないかと、
話が来たそうだ。
皆で踊ることに喜びを覚えていたぷんちゃんは、
きっとすっごく嬉しかったんだと思う。
…詳細を聞くまでは。
そのユニットは、
男性踊り手さんだけで構成されていて、
いわばアイドルグループのようなものらしい。
そして、恋愛は禁止、ということだ。
せっかくつかんだチャンスだ。
ぷんちゃんはやりたいに決まっている。
でも、私のことを考えて踏みとどまってくれたのだ。
そして、私の、さくらの意見を聞きたい…と。
「……………あっそ。」
話し終えると石田くんは、
眉間にしわを寄せて、
ものすごく怖い顔でつぶやいた。
何をそんなに怒っているのだ!?と少し動揺したが、
石田くんに話して整理がついたのか、
自然と私の考えを話していた。
『だからね!
私、ぷんちゃんと別れるんだ!』
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ゴリラ(プロフ) - ご指摘、ありがとうございます。外しました。申し訳ありませんでした。 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 92baebc47b (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年8月12日 16時) (レス) id: 484c9d624e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゴリラ | 作成日時:2017年7月11日 1時