どこか暖かいところを捜している【煉獄杏寿郎】 (ページ30)

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その後、私達は恋仲として、色々なところへ足を運んだ。

それはすっごく楽しくて、別れるのがとても名残惜しかった。

楽しい思い出をたくさん作りたくて、
別れ際に次の約束を立てた。

非番の日に一緒に出掛けた時は、刀こそ持ってはいるものの、鬼殺隊の柱ではなく、
たった一人の女の子、“＿＿＿A”になれた気がした。

とても楽しい日々だった、、、、、、。

でも“柱”という身の上である以上、そんな些細な幸せを守り抜くより、自分の命を顧みずに戦う事を選ぶんだ、、、、、、。

そう、、、
我らが父のお館様の訃報が届いた日、
私も命を散らした、、、、

上弦の伍だったんだ、、、、、、。

新しく作られた鬼の為、情報は出回っていなかった。

どういう血鬼術を使ってくるかわからない、、、。

多分それに気を取られ過ぎて、深手を負ってしまったのだろう。

いや、そうじゃない、、、

上弦の伍は、、、、、
良く見知った、“師匠”と呼んで慕っていた人だった
から、、、、、。

師匠は前に少しだけ戦った上弦の参よりも
強かった、、、。

何で、、、？
上弦の伍って参よりも弱いでしょ、、、、？

何で師匠が鬼なんかになっているの、、、？

私は出血量のせいで、意識が朦朧とし始めた、、、。

でも、でも、、、、、、。

この常識を越えた鬼を、、、、、、、
師匠を、、、私の手で殺さなきゃ、、、。

私は煉獄さんに教えて貰った技と、
焔の呼吸の型を合わせた技で、師匠の首を
分けた、、、。

師匠は涙を流して、“ごめんね、ありがとう、、、。”
と言った。

私は師匠を見届けて、
自らの生涯も終えた、、、。

最期に無一郎に遺言を遺したけど、ちゃんと届いているかな、、、、？

一番最期に、思ったことは、、、、、

“無一郎と居るより、杏寿郎さんの方へ向かう方が
心無しか待ち望んでいた様な気がする”という事、、、。

最期の最期に気づいだんだ、、、、、、

［私が一番好きな人は、、、
　杏寿郎さんだという事を］

無一郎と一緒にいる時でも、頭の何処かで杏寿郎さん
の事を考えていた、、、、。

そして、視界の端に杏寿郎さんを捉えた時、
私は彼の方に走り出していた。

ずっと会えなかった、大好きな人の元に、、、、。