一問一答デスゲーム - 2 ページ3
＊＊＊
「それは温かいものですか？」
「おっと……？」
初めての質問がでてきたな、と優人さんは少し戸惑った様子を見せたがその声色はどこか嬉しそうに聞こえる。
帰ってきて早々に「今日の動画まだ見ないでね」と言われ不思議に思っていたがどうやら録画日に参加できなかった私にも参加してほしい内容らしく一緒に視聴しながら私の様子を見たかったらしい。
そうして、ああでもないこうでもないと口を挟みつつ動画視聴をしていく中で気になったことがあり聞いてみればどうやらそれは当たりらしかった。
「Aの言う通り温かいものだよ。」
「もし今思っている答えがあってるなら、優人さんが答えたこと一つ間違ってるんですけど？」
「ええ？じゃあ、違うんじゃない？」
「ええ……？まあ、いいや。答えはＦＦ！」
「なに？ファイナルファンタジー？」
「面白い実況をご提供くださりありがとうございます……じゃない！ファストフーズ！」
「の？」
「のぉ！？えー？ファストフーズの……からあげ！」
「おお！すごい！正解！」
動画を止めてぱちぱちと拍手をする優人さんは本当に嬉しそうな顔をしている。動画の再生時間を確認すれば十三分程度で再生時間を少しだけ残して答えが出たらしい。つまり四人でやった時よりは早かったということだ。
「いやあ、やっぱAがいると早いんだなあ。俺らの中じゃ1番コンビニに詳しいもんね。」
「コンビニで冷たい物じゃないなら温かい物か常温しかないし、温かい物なんてドリンクかファストフーズくらいしかないからね。」
「確かにコンビニの温かい物って思っているよりも限られているもんな……なるほど……。それよりも俺のどの質問が間違ってた？」
「からあげの価格は基本的にどこのチェーンも二百円前後はしますから。今時百五十円じゃ買えないですよ、多分。」
「あれ？そうだっけ？」
「今度買いに行ったときによくよく見てみてください。それよりも続き視聴してもいいですか？」
「あ、はい。どうぞ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：笹森 糺 | 作成日時：2020年7月18日 18時
