藍色の夜会 ページ14
「どうか、私と1曲踊っていただけませんか？」
そう言って恭しく私に手を差し出してた男性は女受けしそうな優しい顔で微笑んだ。
青みがかった艶やかな黒髪にラピスラズリの瞳。そして知的に見える黒縁メガネに女性を虜にする甘いマスク。間違いない。彼はウツ・ブラウ。通称鬱先生もしくは大先生と呼ばれる攻略対象の1人だ。
「あのぉ？お嬢さん？」
「ああ、ごめんなさい。貴方のような素敵な方からお声をかけられるとは思わず驚いてしまいましたわ。私でよければ喜んで。」
「んふふ、ありがと。なら、この曲が終わったらにしましょうか。」
差し出された手を取れば自然と私の腰に回った彼の腕に手馴れているなと呆れ半分関心半分の気持ちを抱く。
女好きの彼は社交界では有名だ。デビュタントを済ませてすぐのご令嬢の初恋は彼と言われるほどなのだから面白い。まあ、そういう私はまだ正式なデビュタントは済ませておらず本当のことは知らないのだが。
「初めて見る顔やけど、こういうのは初めて？」
「そうね。友人に誘われたから来てみたのだけれどあまり面白くないからがっかりしていたところですわ。」
「ふーん？なら、僕と楽しいこと、せえへん？」
「あら、何を仰っているの？」
楽しいことはこれからするでしょう？と笑ってからダンスホールの中心へ彼を連れ出せば鬱先生は目を見開いて驚いたがすぐに気を取り直したのか私の体に腕を回して足を踏み出した。
「随分お転婆さんやねえ？」
「あら？どなたの事かしら。存じませんわ。」
「そんでもって気も強いとかほんまにお嬢様か？ええやん！俺、そういうの好きやで？」
「それはどうもありがとうございます。」
いち、に、さん。いち、に、さん。と必死に脳内でワルツのテンポを刻みながら鬱先生の相手をするのは非常に辛い。ダンス自体は嫌いではないしむしろ好きだが如何せん練習相手がエーミールかゾムしかいなかったため足を踏んでも許されていた。しかし今目の前にいる鬱先生の足を踏んだとあれば瞬時に噂が広まるだろう。……待てよ？それはそれで引きこもる理由ができていいかもしれない。
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タラコ - ヘルマンさんってもしかして、ヘルマン・ヘッセでしょうか？ (2021年2月14日 22時) (
レス) id: d000e7e9d5 (このIDを非表示/違反報告)
笹森 糺(プロフ) - → ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。これからも何卒よろしくお願い致します。 (2021年2月3日 12時) (レス) id: efe832d826 (このIDを非表示/違反報告)
笹森 糺(プロフ) - → 名前変換を反映するためには1番上の『●お名前』とその下にございます『苗字、あだ名の設定が可能(設定する)』の2項目からそれぞれ設定して頂かなければならないようです。 紛らわしいため登場人物設定は撤去致しましたのでその様にご対応頂きたく存じます。→ (2021年2月3日 12時) (レス) id: efe832d826 (このIDを非表示/違反報告)
笹森 糺(プロフ) - もえさん» もえ様 コメント頂きありがとうございます。ご迷惑をおかけ致しまして申し訳ございません。動作確認致しましたところご指摘いただいた通り登場人物設定では反映しないことを確認しております。大変申し訳ございませんでした。→ (2021年2月3日 12時) (レス) id: efe832d826 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 私の占ツクがおかしいだけでしたら申し訳ありません。登場人物設定において「オルテンシア」と「テン」が設定されていると思うのですが、そこを変更させても本文内で反映されません……。 (2021年2月3日 7時) (レス) id: 9b854a058e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笹森 糺 | 作成日時：2020年12月20日 23時
