検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:15,456 hit

ミライ 3 ページ3

「つっかれたァッ!!☆」


先程椿から頼まれた仕事を終え、拠点へと戻る途中


拠点へは大通りを通った方が近いのだが、あえてこの大通りから外れた人気の少ない道を通ることがベルキアの日課となっていた


「にしてもさァ……」


大通りを抜け、この道に入った瞬間から感じていた気配


最初は何かの間違いかと思っていたが、この気配は明らかに人外の気配であった


振り返ると、人影の様なものが建物の影に隠れるのが見えた


フードを深く被り、その顔は見えないが、フードから覗かせる薄茶色の長い髪と白いワンピースを着ていることから、恐らく性別は女性であろう


ベルキアの事を尾行する目的は、拠点の場所を割り出そうとしているのかもしれない


気配から感じる性能はかなり低いと思われる


後ろ頭を乱暴に掻くと、顔色を変え足を少し速めた


「薄茶髪ねェ……気乗りしないけどォ………」


すると、近くの路地へと入り、どんどん奥へと進んでいった


この先に、少し開けた場所がある。そこで一気に留目をさす


開けた場所に出ると、吸血鬼特有の軽い身のこなしで近くの建物の屋上へと上がった


気配は確実にベルキアを逃がすまいと近づいてきている


いつ来ても良いように、自らのシルクハットから剣を幾つか取りだした


直ぐに、その気配の正体である女性が現れた


きょろきょろ辺りを見回していることから、ベルキアを探しているのだろう


ベルキアは瞬時に頭の中で、ターゲットとの距離を計算し、剣を構えて飛び降りた


剣先は女性へと向いている


「死ねエェエェェエェエエッ!!」


流石にベルキアの気配に気が付いた女性が上を向いたその瞬間、ベルキアの動きが止まった


フードがずれ、そこから見えた顔がベルキアのキヲクの中にある彼女と似ていたからだ


あまりの事に驚いたベルキアは体勢を崩し、間一髪のところで地面に着地することが出来た


女性はドテンッと尻餅をつき、フードが完全に外れた


やはり、その顔には見覚えがあった


「ひぃっ!ご、ごめんなさい!!え、えと、み、道に迷っちゃって!別に尾行しようとか、そうじゃなくて、だ、だから殺さないでぇっ………」


そう、まさに目の前でガクガクと震えている女性は、彼女によく似ていた、いや同じ顔をしていたのだ


「A……………?」


ベルキアは自然とその名前を呼んだのであった

ミライ 4→←ミライ 2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みう - 泣きながら一気読みさせて頂きました!更新楽しみにしています!続きが気になる、笑 (2019年4月10日 12時) (レス) id: b25949565a (このIDを非表示/違反報告)
華夏 - ・゜・(つД`)・゜・ (2018年9月3日 23時) (レス) id: 154990a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかなん(プロフ) - 更新全裸待機します!2人が再び結ばれるまで頑張ってください! (2017年9月8日 21時) (レス) id: 539a2db6b9 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - とても素晴らしい作品でした!!ヒューのサブクラスとして再会したヒロインちゃん!!果たしてベルキアのことを思いだし本当の意味で再会できるか楽しみです!! (2017年8月17日 21時) (レス) id: 1c53e8f3ec (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - 萌え(鼻血) (2017年4月6日 16時) (レス) id: 0b829959dd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜神ミリィ | 作成日時:2015年8月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。