でも付き合ってないんです２【名前変換オリジナル】

9.浴衣 ページ10

｢浴衣ないって言ってた人来てー｣

浴衣を持ってない人たちに浴衣の貸出をするようだ。
私は自分のものがあるので持ってきた。

最近よく見るような大きな花がたくさん、というものよりは小さな桜がたくさんの方が私は好きだ。
着たら着たで良いと思うのかもしれないが。

｢試着タイムに入りまーす。｣

着付けられる人が自分で着れない何人かを担当するということになっている。
ちなみに自分は着付ける役。

｢この前言ってた方々こちらへどうぞ〜｣

事前にグループを分けていたのですぐに集まる。

｢先に男子からしますので女子は少しお待ちください。｣

｢はーい｣

私が担当するのは男子二人、女子二人だ。
男子の方が着付けるのが楽だ。

｢一人目男子どうぞ〜｣

｢お願いします。｣

｢はい。｣

背があまり高くない人は手が届くからやりやすいな…相手に言ったら怒られるかな…

などと考えている内に一人目終了。

｢ありがとう！いやっほーーい！｣

一人目の男子はそのまま廊下に飛び出して行った。
すぐに着崩れそうだ。

｢男子もう一人どうぞー｣

｢はーい｣

背後からにゅっと出てくる眼鏡。颯くん。
クラスメイトがにやにやしながら選んでいた。

｢今日も……背が高いね。｣

｢あ、うん。｣

｢今だけ三十センチ縮んでくれない？｣

｢無茶言う…｣

冗談を言いながら帯を結ぶ。
終わったので少し離れたところから見る。

｢あぁ…｣

かっこいいな…言わないけど…

すると私の心を読んだのか

｢惚れ直した？｣

普段のイメージとは違う発言。
突然だったが、慌てながら

｢もともと惚れてます！｣

大きな声で言ってしまった。

クラスメイトに見られた。
にやにやしていた。

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