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河村さんの恋愛相談は、その後も続いた。
「毎回毎回、聞いてもらってすみません。」
『いえ、お役に立ててるのなら何よりです。』
初めて相談を受けたあの日以来、２人きりになると時々その話題が上がるようになった。
それも、最近それが増えているような気がして、何とも心苦しい。
それでも私が河村さんの恋愛相談に乗り続けるのは、彼と話していたかったからだと言ってしまえば、そうなるかもしれない。
河村さんが名前も知らない何処かの素敵な人と想い合うことは嫌だったけれど、相談には真剣に乗っていた。
それはきっと、河村さんに嘘を吐いて、いつか勘付かれて嫌われるという道を避けたい、という私のしょうもない子供っぽさと恋心から来ているのだろう。
「友人からお菓子をもらったので、一緒に食べませんか。」
『私なんかが頂いてもいいのですか？』
「お礼ということで。それに今日はもう一つ、相談したいことがあるので。」
そう切り出した河村さんに、私は嫌な予感を感じる。
私はなら、お茶でも淹れてきますね、と立ち上がってその予感に目を瞑った。
『そろそろ、本題に入りますか？』
一通りお菓子の感想を言い合い、落ち着いたところで私はそう言った。
「そうですね。」
河村さんはそこで一呼吸置いて、一度目蓋を閉じる。
「僕、告白しようと思うんです。」
河村さんがもう一度目を開ける頃に、私は嫌な予感が、最も悪い形で当たったということを知る。
いつか、いつかはその言葉を聞くことになるだろうと予想はついていた。
けれど、その言葉は酷く重く、私にのし掛かる。
『そうですか。良い頃合いだと思いますよ。』
「Aさんにそう言って頂けると、勇気が湧きます。」
河村さんは、そう照れたようにはにかんだ。
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蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]ひとまず、完結まで持っていくことができました。読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。 (2019年7月5日 22時) (
レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - さくらさん» コメント、ありがとうございます。短編集の方からとは、ありがたいです。短編の方では書けなかった部分も書けたらいいな、と思っています。今後ともよろしくお願いします！ (2019年7月3日 23時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 中編として出されたんですね！(短編集から来たものです)どの作品も本当に面白く、更新楽しみにしています！！これからもお願いします！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 5f0271f313 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - 茶之助丸さん» コメントありがとうございます。中編ですし、ストーリーはもう決まってますので、バシバシ更新していきたいです！今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月3日 0時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
茶之助丸(プロフ) - ランキングおめでとうございます！お話すごく好きです！更新楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2019年7月3日 0時) (レス) id: 1cdd5a0197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼衣瑠璃 | 作成日時：2019年7月2日 0時
