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そして、これも何時だったか。
「Aさん。良かったら相談に乗ってくれませんか。」
『相談、ですか？私でよければ。』
時々ある河村さんとの２人きりの時間に、河村さんがふとパソコンから顔を上げてそう言った。
「実は、気になっている人がいまして。」
『あ、ああ、恋愛相談ですか。』
河村さんの口から出た予想外の言葉に私はほんの一瞬戸惑う。
出来ることならば、聞きたくない言葉だ。
「まあ、言ってしまえばそうかもしれません。」
『良いですよ。私なんかでよければ。』
恋愛相談だ、と言い切ってしまわないところ、きっと恥ずかしいんだろうな、照れているのだろうなと私は軽く現実逃避的に思考する。
「そのような自分を卑下するような発言は良くないですよ。」
『……すみません。』
けれど実際のところ私なんか、という表現に間違いはないのだ。
気になっている人の恋愛相談など、乗ったところで、正しい答えを返せる自信など何処にもないのだ。
それでも相談に乗ろうと思ってしまうのは、それだけ私が河村さんと話したいからなのか、断って彼と気まずい雰囲気になるのが嫌だからなのか。
「それで、本題なのですが。その人とは、大学に入った頃からの知り合いなのですが、最近、大学の近くで会いまして。」
『なるほど。キッカケはそこなのですね。』
「はい。それで連絡先を交換して、時々近場で話すくらいの関係にはなったんです。」
それはもう、互いに気があるのでは。
そう思ったけれど、私は口に出さなかった。
「趣味もわりとあうので、それで。」
気になり出した、もしくは好きになった。
河村さんははにかむだけでその先は言わなかったけれど、私にはハッキリとそう聞こえるようだった。
『上手くいくといいですね。』
私は精一杯、表情を取り繕って嘘を吐いた。
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蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]ひとまず、完結まで持っていくことができました。読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。 (2019年7月5日 22時) (
レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - さくらさん» コメント、ありがとうございます。短編集の方からとは、ありがたいです。短編の方では書けなかった部分も書けたらいいな、と思っています。今後ともよろしくお願いします！ (2019年7月3日 23時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 中編として出されたんですね！(短編集から来たものです)どの作品も本当に面白く、更新楽しみにしています！！これからもお願いします！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 5f0271f313 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - 茶之助丸さん» コメントありがとうございます。中編ですし、ストーリーはもう決まってますので、バシバシ更新していきたいです！今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月3日 0時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
茶之助丸(プロフ) - ランキングおめでとうございます！お話すごく好きです！更新楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2019年7月3日 0時) (レス) id: 1cdd5a0197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼衣瑠璃 | 作成日時：2019年7月2日 0時
