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落ち着いた私は問いかける。
『そう言えば、別れた彼女さんとは、何があったの、ですか？』
「あー、そうですね……。」
まだしゃくりあげながらではある私の言葉を、河村さんは真摯に拾ってくれる。
『私が回復したら、教えてくださるんでしょう。』
「まあ、簡単に言えば、他のメンバーへの接触のためだったんですよ。」
苦笑して、そしてかつ呆れたように言う河村さんに、私も苦く笑う。
「彼女が友人とやり取りしている場面を見てしまいまして。」
『それは……大変でしたね。』
きっと、河村さんのことだから、別の理由があるように思わせて、やんわりと振ったのだろう。
「今思い返せば、わざとらしかったように感じます。」
『そうなのですね……。』
相談に乗っている間は、わざとらしさは感じなかったのだから、河村さんが表現を柔らかにして話してるのか、相当のやり手なのかのどちらかか。
または両方であったか。
そんなことはあまりどうでもよかったのだけれど。
「明らかにAさんの方がいい人なのに、それに気付かないなんてあの時の僕は駄目でしたね。」
『いや、そんなことないですって……。』
「全然、そんなことあるので。」
河村さんに突然目を捉えられて言われ、私は心臓が大きく鳴ったのを感じる。
「顔赤いですよ。大丈夫ですか？」
河村さんはそう言って、私のおでこに自分のおでこをくっ付ける。
今までにない距離の近さに、私は固まってしまう。
心臓の高鳴りは倍増だけれど。
そしてこの人はきっとこれをわざとやっているのだから意地が悪い。
「んー、やっぱり可愛いですね。」
『絶対わざとですよね。』
「そうに決まってるでしょ。」
河村さんは全く、これを言い切ってしまうのだから、私の反論の余地は無くなってしまうのだ。
ズルい人だと思わないか。
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蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]ひとまず、完結まで持っていくことができました。読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。 (2019年7月5日 22時) (
レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - さくらさん» コメント、ありがとうございます。短編集の方からとは、ありがたいです。短編の方では書けなかった部分も書けたらいいな、と思っています。今後ともよろしくお願いします！ (2019年7月3日 23時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 中編として出されたんですね！(短編集から来たものです)どの作品も本当に面白く、更新楽しみにしています！！これからもお願いします！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 5f0271f313 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - 茶之助丸さん» コメントありがとうございます。中編ですし、ストーリーはもう決まってますので、バシバシ更新していきたいです！今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月3日 0時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
茶之助丸(プロフ) - ランキングおめでとうございます！お話すごく好きです！更新楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2019年7月3日 0時) (レス) id: 1cdd5a0197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼衣瑠璃 | 作成日時：2019年7月2日 0時
