借ります ページ38
side_kawamura
「河村さん、ちょっとAさん借りますね！」
一瞬だけ僕のいる部屋に入ってきて、そう告げて、嵐のように去っていったのは多分、山森さんだったと思う。
いや、声や容姿で山森さんだということは分かりきっているのだけれど、早すぎたのと突然すぎたので、どうも受け止めきれなかったようだ。
「って……何で僕に…」
「え、河村さん、それマジで言ってます？」
僕が小さく言葉をこぼせば、聞こえていたのか伊沢が異常な速度で反応してくる。
「え……僕なんかおかしい？」
「いや、独占欲とかあるでしょ、普通」
伊沢にまるで当たり前だ、というようにツッコまれてしまい、僕は脳内にクエスチョンマークを浮かべるばかりだ。
「んー、まあ、分からなくもないけど」
「ふーん……河村さん意外」
伊沢の中の僕のイメージは一体何なんだ。
そうツッコミを入れそうになったが、面倒くさそうなので止めておく。
・・・
・・
・
side_yamamori
「本当に、何でいつもパーカーにジーンズなの！勿体ないです！」
私は、Aさんをコーディネートしたいがために河村さんから借りてきた次第である。
整った顔をしているAさんを、コーディネートしたいと思うのは全くもって普通のことだと思う。
そのついでに可愛らしくなったAさんを見た河村さんの反応が見れたら面白そうだ、と思っている。
そうですね、白状しましょう。
最早、そっちの方が楽しみだったりします。
「もし、買わないっていうなら、私の服でも良いんです！コーディネートさせてください！」
『わ、分かった……。折角、彩加が時間割いてくれたんだし…』
Aさんは私の押しに負けたようだ。
私の勝ちである、勝利。
ちなみに、この事は伊沢さんと福良さんにはもう話してあり、全力で推しを貰ってきた。
んー、楽しみだなぁ。
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翔。(プロフ) - 更新されているところまで読ませていただきました！すこし仄暗いかんじで大好きです！！気が向いたらでいいので更新お待ちしております、、 (2019年10月4日 0時) (
レス) id: 7366e8991b (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]僕の書く小説には山森さんが登場しがちです。仕方ない、好きなんです。 (2019年7月6日 11時) (レス) id: d8cfcd1bd9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]伊沢さんがイチャイチャしてればいいのに。と言っているのは、２人がオフィスでは節度を守った範囲で行動してくれる。という信頼があるからだ、という裏設定があったりなかったり。 (2019年7月1日 22時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼衣瑠璃 | 作成日時：2019年4月6日 23時
