してしまえば ページ21
ちなみに、どうすればいいかという私の問いに、伊沢くんは今まで通りでいいんです、と何ともタメにならない返しをしてきた。
「A〜、ちょっとこれ見て」
『え、どれー？』
「あー、あのさ。次の企画なんだけど」
『あー、作問？』
努めて平然を装ってはいるのだけれど。
何処かに変なところはないか、表に出してはいないかとつい考えてしまう。
もはや逆に気にしすぎて変になってるのではと思う。
意識してしまえば、全てが変わるということにこの年になってから気付くとは。
きっと、今までもこの恋情はどこかにあったのだということも。
今になって、思い知ってしまった。
『……どうすればいいんだろ』
視界に入る拓哉は極めていつも通りで。
こっちが意識してしまっただけで、向こうは何も思っていないのもわかってる。
分かってはいるんだけど。
だって
一体全体、どうすればいいと言うのだ。
伊沢くんの言ういつも通りとはどんなんだったか。
ずっと続けてきたはずなのに。
分からなくなってしまった。
「A〜」
ほら、普段と調子の変わらない拓哉の声が聞こえてくる。
「しりとり」
『リターン』
「しりとり」
『立案』
「ンジャジジャ島」
『ウラン……また！？』
何とも既視感のありすぎる会話に私は盛大にツッコミを入れる。
これに関してはもはや条件反射だ、仕方ない。
「A、元素で返してきがちだよね」
『まあ、理系だからね』
「ふふっ、ちゃんと付き合ってくれるとこ、好きだな」
『……あっそ、ありがとーございますー』
一瞬でも、いやもう後続的にドキドキしてしまうじゃないか。
何をやってくれるんだ、この人は！
「ちぇー、つれないなー」
可愛い、とか思ってないから。
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翔。(プロフ) - 更新されているところまで読ませていただきました！すこし仄暗いかんじで大好きです！！気が向いたらでいいので更新お待ちしております、、 (2019年10月4日 0時) (
レス) id: 7366e8991b (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]僕の書く小説には山森さんが登場しがちです。仕方ない、好きなんです。 (2019年7月6日 11時) (レス) id: d8cfcd1bd9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣瑠璃(プロフ) - [作者の独り言]伊沢さんがイチャイチャしてればいいのに。と言っているのは、２人がオフィスでは節度を守った範囲で行動してくれる。という信頼があるからだ、という裏設定があったりなかったり。 (2019年7月1日 22時) (レス) id: 9b47b20b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼衣瑠璃 | 作成日時：2019年4月6日 23時
