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今日、佐倉亜衣さんが新しく柱に就任した。
使う呼吸はAと同じ、雷の呼吸だそうだ。
佐倉さんの紹介後、各々自己紹介をし、いつものように鬼殺隊の近況報告で今回の柱合会議は終了した。
これから数ヶ月、特筆して書くようなことはなかった。
ただ、Aに関する悪質な噂がまことしとやかに囁かれていた。
やがてそれはAの耳にも届き、非常に驚いたが、人の噂も何とやら。気にしない事にした。あまり関わった事のない一般隊士からすれば、柱というのは正体不明の恐ろしいものなのだろう。実際、恐ろしい奴もいる。
だがAの予想と反し、いくつ日が経っても噂は消える事は無く、どころか増えていくばかりだった。
まぁしかし気にしていなかった。
此奴も此奴で極度の面倒臭がり。合同任務のおりに噂を正す事もせず、なるがままにしていた。
唯一、噂を正そうとしたのが、佐倉さんが柱に就任し、2度目の柱合会議だった。
「ヨォ、お前。最近中々派手な事になってんな」
頭を小突きながら、揶揄ってくる。最も、された側からすれば殴られるのと大差ないが。
『あ?』
痛む頭を押さえ、明らかに不機嫌といった様子で自分よりふたまわりも大きい宇髄を下から睨む。
ふたまわり小さいAを上から眺めて宇髄はケラケラと笑う。
「噂だよ噂。知らねぇの?隊士に怪我をさせた、一般人を見捨てた、とか。根も葉もないと思ったが、その顔見てると案外的を得ているのかもな」
『、信じてんのか』
視線を落とし、顔に影をつくる。
「んなわきゃねぇよ」
無骨な手を躊躇なくAの頭に置き、わしゃわしゃと撫でる。
怒るAを横目に、コイツも案外普通なんだなと、考えていた。
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作者名:蒼空 | 作成日時:2020年12月6日 22時