初めて知った思いと願い (ページ2)

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第４１話ページ2

奈子サイド

話してくれないのはなぜなんだろう…

私が頼りないから？

信用してないから？

それとも……

『王様！！』
『っ！！どうしたの？』
『大丈夫？』
『うん…』

違う…全然大丈夫じゃないよ。

辛いんだよ…お姉ちゃんが話してくれないのが、悲しそうなのが……
どうしようもなく辛いんだよ。

『王様…迷ってばかりじゃ、ダメなんだよ。』
『…火影君…』
『前に進まないと』
『……うん。』

そんなの、分かってる！
でも、どこかで聞くのが怖いと思ってしまうんだよ。
話してしまったら、お姉ちゃんが壊れてしまいそうで…
『それでも、前を向くべきだ！』
『そうだ！何もしないままでいいのか？』
私の心が見えたかのように…
どうして？そんなに前向きなの？
『頑張れ！』

『そうだね…』
私が、動かないといけないんだよね……
勇気を出すんだ！奈子！
『……お、お姉ちゃん…』
『どうしたの？』
『話がある。』
『うん。』

『どうしたの？』
『お姉ちゃん、悲しそうだね。』
『っ！！そんなこと…』
『嘘が下手だよ。』
『私は、何も隠してないよ？』
『じゃ、雪香さんって誰？』
『…それは…』
『誤魔化さないで！本当のことを教えてよ…！』
『奈子…』

そんなに辛そうな顔してるのに…
平気そうなこと言わないでよ！
話してよ！どんなことでも、受け止めるから！

『雪香は……私の大切な人…だよ。私の、生きる力…』
『どうして、そんなに辛そうな顔して言うの？』
『もう………っ！！…会えないからだよ…』
いつのまにか、お姉ちゃんの大きな瞳から涙が溢れている。
『もう、いないの？』
『っ！！…』
『だから、涙を流して、空を見上げるの？』
『…そうだね…そうかもしれないね。』