ふっかさん短編 (ページ11)

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“着いた"

たつからのショートメールが入った

『着いたって…』

結「そっか…頑張ってきなよ」

『…うん』

ごめんっお先に、とお金をテーブルに置きお店を後にした

－－－

『寒っ…』

お店を出ると冷たい風が吹く

深「Aっ」

名前を呼ばれ振り向くと帽子を深く被りマスクをつけたたつ

『…たつ』

乗って、と腕を引かれ止めてあったタクシーに急いで乗せられる

深「ごめん、ファンに見られると困るからさ」

そう言うと苦笑いする

『ううん』

車内では2人とも一言も話さず無言の時間が続く

深「あ、ここでいいです」

運転手に告げると料金を払い、タクシーから降りる

『海…』

この時期でしかも夜も遅い海には誰もおらず2人きり

深「ちょっと歩こうか」

歩き出したたつを小走りで追いかけ、少し後ろを歩く

深「昔さ、夏にバスケ部のみんなで来たよね、海」

『そうだね、懐かしい』

深「あの時Aの水着姿やべーってみんなで大盛り上がりしてたわ(笑)」

『え？嘘！？』

あの時そんな話されてたとは…
めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど

深「まじまじ、男なんてみんなそんなもん(笑)バスケ部でA人気あったからさー。誰がお前と付き合うかってめっちゃ話題だったよ」

「そうなの？！知らなかった…。
でも私誰にも告られずに1人寂しい生活送ってたんだけど」

周りは思春期真っ最中で誰が誰に告ったとか、誰に告白されたーって話題で持ちきりで、カップルもたくさんいた

その中で誰にも告られず、グループの中で1人だけ彼氏いなくてかなり寂しかった中学時代を送ってたのに

深「ははっ…Aって馬鹿なの？」

『はぁ？』

久々に会ったと思えば、馬鹿呼ばわり

深「みーんなお前の好きな人知ってたからね」

『は？！え、待って待って！私誰にも好きな人言ったことないんだけど』

ジャニーズに恋してるなんて無理だって思ってたから、仲良い友達にも誰にも言えなかったのに…

深「お前さ、本当に見過ぎだから」

あと好き好きオーラ出まくり、と笑いながら話す

『え…うそ…』

深「ま、俺も気付いてなかったんだけどさ(笑)でも周りに言われて意識してたらわかったわ」

やばい、これは恥ずかしすぎる

深「お前…俺のこと好きだったでしょ？」

本当にバレてた…

『…穴があったら入りたい』

きっと今の私は顔真っ赤だと思う
でもきっとたつは気付いてない

今も私が好きだってこと

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