ふっかさん短編 (ページ1)

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想いを胸にしまってページ1

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－－－ねぇ、今どこ？会いたいんだけど

想いを胸にしまって

♪～♪～

仕事終わりにスーツのポケットに入れた携帯がなる

“深澤辰哉"

ディスプレイを見ると表示されたのは、私の片思いの相手の名前

ふぅ…と一旦深呼吸

「もしもし？ふっか？」

－－－ねえ、今どこ？会いたいんだけど

「いや、唐突だな(笑)」

ーーーえ、いつもじゃん？(笑)

電話越しの声は明るいのに、何故か元気がなく感じた

「まあ、そうだけど」

ーーーで、今どこにいんのよ？

「仕事終わって会社の最寄りに向かってるとこ」

ーーーじゃあ、いつもの店来てよ！飲も

「りょーかい、20分くらいで着く」

ーーーはーい、待ってるよぉ！

電話を切った瞬間、顔の筋肉が緩む
足早に彼の待つ店へと向かった

店の前に着くと彼に連絡を入れた

“着いたよー"

“中入って"

店内に入り、いらっしゃいませという店員に待ち合わせであることを伝えキョロキョロしていると

深「A」

「あ、ふっか！お待たせ～」

わざわざ入口まで迎えに来てくれたであろうふっかにヒラヒラと手を振る

ふっかは上下黒のジャージに深々とキャップを被りマスク姿

深「いつもごめんな、いきなりで(笑)」

「悪いと思うなら事前にアポ取ってくださーい」

たわいもない会話をしながら、奥の仕切られた席へ向かった

深「A、何飲む？」

「ハイボール一択！」

深「ははっ、お前本当ハイボール好きな」

すみません、と店員さんに合図を送り私のお酒を注文してくれる

しばらくすると私の分のお酒が運ばれてきた

深「じゃあ、かんぱーい」

「かんぱーい」

ゴクゴクゴク

ハイボールの炭酸が喉へと染み渡る

「はぁぁ！仕事終わりのハイボール最高っ」

深「本当美味そうに飲むよなぁ」

そんな私を優しい目で見つめながらそう言うふっかに少しドキッとしながら、もう一度ハイボールを口に運ぶ

「…んで？なんかあった？」

深「いやぁ、なんかAの顔見たいなって思って(笑)」

そういうふっかだが、なんか様子がおかしい

「そういうのいいから。何？」

深「ははは…なんでお前わかっちゃうの？」

「…そりゃ長い付き合いだからね」

ふっかとは幼稚園から中学まで同じ学校
ここまで仲良くなったのは中学の時からだけど、地味にずっと片思いしている。

「それでどうしたの？」

下を向くふっかに優しく問いかける
そんなに躊躇うなんてどんな話なんだろうと不安がよぎる

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