＊１話『隠している気持ち』＊ ページ2
「クスクスッ、来たよ」
『…』
目の前にある机の上の無数の落書き。
それは私が皆に嫌われている証拠で、尚且存在を否定するものである。
いつからこんなことが始まったんだ。
「…くせぇ」
「ブハッ、言ってやるなって！」
「あははっ、ゴミはゴミ箱に捨ててくださぁーい(笑)」
毎日毎日、私に浴びせられる残酷なコトバ。
そんなことをして何が楽しいんだ、なんて誰しもが言うけれど。
やってる本人は本当に楽しいんだよ。
だって、私も昔はあっち側だったから。
いじめる側と、いじめられる側。
楽しいのはいじめる側だけ。
それは私は身をもって思い知った。
『いじめられてるなら先生に言え』
それ、何回目ですか？
私、言いましたよ、先生に。
『いじめられてます』
って。
なのに注意するだけで後は見て見ぬふりするんですか？
綺麗事なんて所詮その場しのぎのためにあるものだよ。
アンタらこそあっち側だって、気付かないかな。
アンタらはただ、面倒事が嫌なだけなんじゃないの？
だから助けようとしないんじゃないの？
意味もわかってないくせに正義語ってんじゃないよ。
本当の正義はアンタらなんかには到底わかんないよ。
正義語る前になんとかしようとしてよ。
だから無くならないんだよ、いじめは。
大人が何もしなくて、無くなるわけがない。
(何なの…)
居場所くらいは作ろうよ。
なんて、私はわがままだ。
「A！」
『きゃあ!?』
誰かに驚かされ、振り向く。
後ろには大ガマがいた。
「おーす、一緒に帰ろうぜ！」
『…うん』
「どうした？元気無いじゃん」
『いやー、転んじゃって』
「マジかよ！怪我してねぇか!?大丈夫か!?」
『もー、過保護だなー。大丈夫だよ、これくらい』
「俺のAに怪我はさせねぇよ？」
『ふっ、ははっ』
大ガマは幼馴染みで、少なからずとも私に好意を寄せている。
一度、気持ちを伝えられたけど私は断った。
大ガマのことは嫌いじゃない。
むしろ、大好きだ。
だけど私たちはそれ以上の関係になっちゃいけない。
大ガマに迷惑をかけてしまうし、それと同時に心配させてしまう。
心配させるのはあの時だけで良いから、どうか今は何も知らずに過ごしてほしい。
私がいじめられてることも、知らなくて良いから…。
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シークレットハット - わかりますそれヾ(ﾟ▽ﾟ*)いい作品ですね(≧▽≦) (2016年5月10日 20時) (
レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
白苺＠歩兎(プロフ) - みゆさん» やっぱり辛いですよね。そういうことがなくなれば良いんですけど…… (2015年10月6日 22時) (レス) id: 965d428419 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - 私もこの小説のようなことがあってとても気持ちがわかりました (2015年10月1日 21時) (レス) id: 3cf7b4a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
白苺＠歩兎(プロフ) - 炎の蛇神@サラマンダさん» いつか、本当に愛せる人ができますよ。そんなことで縁が切れるのなら、その人は本当の友人じゃなかったんじゃないでしょうか。自分をどんなときにでも助けてくれる人が、本当の友達ですよ。 (2015年8月8日 12時) (レス) id: 965d428419 (このIDを非表示/違反報告)
白苺＠歩兎(プロフ) - 八雲 紫さん» 確かにですね(笑)まあ、こんな思いをする人が減ったら良いなぁと思っている次第です。 (2015年8月8日 12時) (レス) id: 965d428419 (このIDを非表示/違反報告)
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