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「…あ、ご、ごめんなさい！
急に手なんか握ってしまって…その、嬉しかったのでつい」
さっきまでの子共のような表情はどこへ行ったのだろうか
包まれた温もりはすぐに離れジョングクは手と共に首も竦めた
そんな人間を見ながら彼は心の中でほくそ笑んでいた
そう、餌の方から寄ってきてくれたからである
どのようにこの餌を逃さずに済むのか、どれほど美味しい精なのかを想像していたため、きっと告白紛いの言葉も聞いてはいないだろう
「…無間さん？」
『ぇ、あ、すみません…
………あの、何故僕の名を？』
「え？あー…」
それは先ほども疑問に思ったことであった
何故ならこの人気者の人間と会話をするのはこれが初めてである
先生や生徒と違って清掃員はネームプレートやバッチを付けてはいない
それなのに何故夢魔の偽名を知っているのだろうか
「それは…その、」
困らせてしまったのだろうか
ただ純粋に疑問に思ったことを言ってしまう性格であったこの夢魔は困らせてしまったことに申し訳なさを感じもう大丈夫です、そう言おうとした時だった
彼からとんでもない発言を聞いたのは
「…ず、ずっと気になっていたんです！
最初は同じ牛乳を飲んでいたので珍しいなと思っただけでした。でもいつも飲むときにマスクの下から飲んでいて顔を見ることはなかったんですけど、いつの日か貴方の顔を見たときにこんなに美しい人を初めて見たと思い…それから_____」
先ほどと同じように捲し立てられ唖然とする夢魔であったが無い心臓が高鳴っているようだった
ずっと気になっていた？
美しい人？
僕と仲のいい生徒に名前を聞いた？
人間から好意を寄せられるのは初めてのことであり、そもそも同族にも好意を寄せられることはない
美しいと思われたこともない
そのような概念が悪魔界には無いからだ
愛だの美醜だのは関係なかった
ただそこに存在するために人間から精を貰い餌を変えてはまた精を貰う
そのように何百年、何千年も存在してきた夢魔にとって美しいと言われるのは初めてであった
美しいという意味は知っていた
人間界に潜めば自然と勉学も身につく
『ぁ、ありがとう、ございます』
「っ、いえ、すみません急にこんなこと言ってしまって」
苦笑いという名前がぴったり当てはまるように彼は居心地悪そうに笑った
しかし夢魔にとっては絶好のチャンスでもあった
今まで狙っていた餌を逃すわけにはいかなかったから
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CROOKED(プロフ) - Hiyokoさん» hiyokoさん、コメントありがとうございます泣またまた更新止まってしまう可能性大ですが頑張ります！ (2020年10月5日 1時) (
レス) id: 23f89516bf (このIDを非表示/違反報告)
Hiyoko(プロフ) - 新作ありがとうございます！生徒×先生の話すごく面白かったです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2020年10月3日 19時) (レス) id: aae4ca831b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CROOKED
| 作成日時：2020年10月2日 1時
