. ページ14
_____ｷｰﾝｺｰﾝ__________
『っ、！？』
「あ…起きました？」
『なっ、何して…っ』
『ふふ、動揺した先生も可愛いですね』
校内に鳴り響く鐘の音で目が覚めた
重い瞼を開けると目の前にはチョン君の顔があった
こんな間近で彼の顔を見るのは初めてで自然と俺の目線は彼の湿った形のいい唇に流れてしまう
「…キス、気持ちよかったんですか？」
『ちがっ…ってぇ、ぁ、…き、きす？！』
「？
はい、キスですよ
なんならもう一回します？」
寝起きでうまく働かない俺の頭は置いてきぼりで
机に触れ伏せていた腕は痺れていてうまく動かない
目を閉じる余裕なんてどこにもなくて
元から近くにあった彼の顔は少し傾いた
唇に柔らかいモノが触れ、それが彼の唇だと理解するのには回転しない頭ではすぐに出来なかった
彼にキスをされてる
そう理解してから彼を押し返すまでには時間はそうかからなかった
『なにっ、してんだよ！』
「なにって…キス？」
『チョン君…君は俺のことからかってる、んだよね？
何で、？反応が面白いから？新人教師だから？
……っ、正直、お前に触れられたり、耳元で話されたりするだけで変に感じちゃうんだよ
……そんな自分が気持ち悪くて、怖くて、情けない…俺、教師なのに
…お前のこと、っ』
そこまで言ってハッとした
違う、こんなことを言いたかったんじゃない
長い沈黙は、俯いた顔を上げさせないようにするための重りのように俺にのしかかっている
もう、やめてくれ
そう言おうと口を開けようとした瞬間
彼が言葉を発した
「ねぇ、先生？
まだ分かんないの？」
『なに、を？』
「……俺さ、ほぼ毎日放課後にここに来て
朝も早く起きれた時は先生に会いたいからって早めに登校してここに来てた
授業は先生の時だけ質問するし、分かっててもわざわざ先生のところに行く口実を作ってた
接点が少ないキム先生に少しでも見てもらいたくて生徒会長にも立候補した
…これだけ言ってもまだ分からないですか？」
顔を上げると彼は困ったような顔をしてこちらを見ていた
「先生のこと、好きなんだけど？」
『…え』
言葉が出てこなかった
驚いてなのか、嬉しいからなのか
でも明らかに俺の心は
嬉しいと言う気持ちでいっぱいだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
CROOKED(プロフ) - Hiyokoさん» hiyokoさん、コメントありがとうございます泣またまた更新止まってしまう可能性大ですが頑張ります！ (2020年10月5日 1時) (
レス) id: 23f89516bf (このIDを非表示/違反報告)
Hiyoko(プロフ) - 新作ありがとうございます！生徒×先生の話すごく面白かったです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2020年10月3日 19時) (レス) id: aae4ca831b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CROOKED
| 作成日時：2020年10月2日 1時
