アーヤはかわいいテニス少女

話す勇気 ページ21

彩サイド

私は今日、KZとHSの試に行くことにしたんだ。

この沈んでる気持ちをどうにかしたかった。

で、今は試合をやるグラウンドに来てる。

見るなら最後まで見たいけど、バレないようにしないとなぁ。

仲直りしたいけど、合わせる顔がない。

そう思いながら、観客席のところに座ると、若武と上杉くん、黒木くんが練習してるところが見えたんだ。

練習でも汗を流しながら、輝いてる姿は太陽以上に眩しかった。

それを見て、私もこんなことで悩んではいられないって思ったんだ。

若武も私と比べものにならないぐらいの怪我を負ってる。

だけど、今はトップ下に戻ってる。

よし、私も頑張ろう！！！

ここに来て良かった！

そう思って安心していると、ふと声がかかった。

忍)アーヤ？

げ！忍だ！見つかった…

逃げなきゃ！

彩)こんにちは！では！

そう言いながら、逃げようとすると、手をグッと引かれた。

びっくりして、目を閉じると温かい感覚が伝わった。

恐る恐る目を開くと、そこには真剣な顔の忍が私の顔を覗き込みながら、抱きしめてるところ。

私は一瞬で、トマトみたいに赤くなった。

彩)忍…？

忍)お前、何があったんだよ。言えよ。俺たち仲間だろ。いつだって、助け合うんだろ？
みんな、心痛めてるよ。俺は本気だぜ？

忍を見ると、真剣な目、そして心配そうな光があった。

それを見て、どれだけ迷惑をかけてるか分かったんだ。

私はみんなへの申し訳なさと自分に対する怒りで、涙が込み上げてきた。

どうすることもできなくて、泣いていた。

そうしたら、忍は私の頭を引き寄せて、泣かせてくれたんだ。

彩)し…のぶ……、ｸﾞｽｯ、あ…りが…と…

すると、忍はニッコリ笑って、私を見た。

忍)で、何があった？

私は忍にテニスのこと、怪我のこと、それを隠していた理由も全て話した。

そして、みんなに当たってしまったこと、いじめられていたことも。

忍は頷きながら、しっかりと話を聞いてくれた。

忍)そっか…大変だったな。よく頑張った。

忍がそんなこと言うとは思わず、私は忍を凝視ちゃった。

それに構わず、忍は話し続けた。

忍)アーヤの話はよくわかった。けど、今回、美門や小塚、KZのやつらに当たった、代償は払わないといけない。
そのためにも、全てのことを打ち明ける必要があると思う。

彩)え…？

確かにそれは大切かもしれない。

けど、それを言う気にはなれなかった。

みんなは私を受け入れてくれるのかな。

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