氷輪セレナーデ

17 HM ページ17

Hokuto side.









.









少し不貞腐れながらも律儀に
メリーゴーランドに並びに行ったAは


順番が回って来た様で、
ちょっと嬉しそうな顔をしている





そんなに乗りたかったのかよ





なんて思ったら少し可笑しくて
1人で笑ってしまう









2人で話す、なんてのはこの間ぶりだったから
まぁ、不安しかなかった っていうのが正直なところ
だけど、遊園地マジックか何かのお陰で
意外と普通に話せている







なんというか、例えるなら
居心地の良いジェシー、とか
しつこくない慎太郎、みたいな


可愛げがあると思うんだよね







…なんて急に考えてしまう自分に動揺する









「松村さんも乗れば良かったのに…」


『いい、絶対乗らない』


「意外と楽しかったですよ」


『それはお前だからだよ』






そんな俺の言葉に
違いますよー！って頰を膨らませる彼女





うん、飽きない(笑)









『腹減らない？』


「…そうですね〜、少し」








そんな話から園内のカフェへと足を運ぶ




と、そこで俺のスマホに着信が入る





『…もしもし』


「あ、北斗？今どこ？」


『んーと、カフェ…？
樹はどこにいんの？』


「丁度カフェ向かってる！」


『そ、じゃ待ってるよ』

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す