実験.6回目 ページ8
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『お、あったあった』
家に帰ってすぐ、ポストを開けて中を覗いた。
ちゃんと昨日注文したものが入っている。
家に入って早速包みを開けた。
丁寧に包まれた小瓶。
一緒に入っていた紙には「惚れ薬」と、シンプルな商品名が書かれている。
これを彼に飲ませる。
体に害のある成分は無さそう。
料理でも作ってその中に入れればいいか。
どうなるか分かんないけど。
『キッチンに置いとくか。常温保存でいいらしいし』
料理作る連絡とかいるかな。
いやめんどくさいからいっか。
『ねよ』
あくびを一つして布団を被った。
____朝起きると、もうアラームを三回止めていた。
それも自覚がないのだから不思議だ。
今は9時。約束の時間まであと二時間。
新聞を取りに眠たい目をこすりながら外へ出た。
『…ん?』
すぐ近くの道に見覚えのある影。
あれは、うん。絶対そうだ。
『なんでこんなに早く来るかな…!』
まだ影が私に気づかない内に、急いで新聞を取って中に入る。
読んでる時間もない。
軽く片付けて着替え、栄養ドリンクを少し飲んだ。
ガチャ
『…随分と早いね橙井くん』
ジ「えっ…なんで、」
なんでドア付近の段差に座り込んでるのかな。
しかもなんで驚いてんの。
彼の横にしゃがんで尋ねた。
『約束の時間11時って言わなかったっけ?』
ジ「あ…そうやったけど、遅れんように早めに来ようと思って」
『だからって二時間も早く来る?』
ジ「ご、ごめ…迷惑やった?時間までここで待ってるつもりやったんやけど…」
『…別にいいけど。君が来やすいかと思って少し遅めに時間設定しただけだし』
先に立ち上がり、中に入るように促した。
「お邪魔します」と言っておずおずと入る。
ジ「…!…!!」
『どした?』
ジ「あ、いやこっちの話やから。気にせんとって。…っ!」
鈍いと言われる私でも何となく言われる。
多分感動してるんだろね。ストーカー相手の家の中入れて。
『流石に家の中に入ったことは無かったんだね』
ジ「そっ、そんなこと出来ひんよ。俺は影で見守るって決めとったから」
だから見守るだけじゃなかったって。
…もうこのくだり何回もしてるからいちいち言わないけど。
それにしても…惚れ薬を料理に入れるまでにまだ時間がありすぎる。
昼食に入れようと思ったけど、まだ早い。
…苦手だけど仕方ないな。
あれをするしかない。
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雪那 - やっば・・楽しみ!!ストーカーさん!その惚れ薬がさっさと聞いて、おとして付き合っちゃえ!((( (2022年11月29日 17時) (レス) @page9 id: 956d4fad93 (このIDを非表示/違反報告)
紗希 - ものすごくう好きだあああああああ (2022年5月7日 20時) (レス) id: 607c9e6e65 (このIDを非表示/違反報告)
アセロラスープ(プロフ) - sakiさん» ありがとうございます!(´ω`*) (2022年4月9日 11時) (レス) id: db90610933 (このIDを非表示/違反報告)
saki - すごいすきです。 (2022年4月8日 21時) (レス) @page9 id: f0b5225799 (このIDを非表示/違反報告)
アセロラスープ(プロフ) - 彼岸花さん» 私も頑張ってほしいです(*´ω`) (2022年2月20日 15時) (レス) id: db90610933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アセロラスープ | 作成日時:2021年12月1日 23時