実験.2回目 ページ4
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「ほう、…え、?えーと、ちょっと待ってな。俺の耳がおかしいんかもしれん。ありえへんこと君から聞いた気がしたから、一旦深呼吸するで?……よし、もっかい言うてくれる?」
『だから、私と友達になってくれない?』
「…やっぱ俺の耳おかしいわ。耳鼻科行かな…」
『そんなに私の声聞き取りにくいのかな』
「いや俺の耳のせいや。君が俺と友達にならんかとか…」
『聞き取れてるじゃん』
「え???」
漫画だったらキョトンという効果音が似合いそうな顔。
内容分かってるのに何回も聞き返したな?
「いや……え?俺と君が友達?」
『そう』
「……ほんまに言うてんの?」
『そうだってば。…え、嫌なの?』
「だっ、て。俺ストーカーやし、通報されても何も言えへんのに、」
『そんな君と私は友達になりたい。君にとっても悪い話じゃないと思うよ』
はっきりしない人は好きじゃない。
いい加減いらいらしてきた。
この人は私の実験にもう要らなi((「よし!!決めた」
『…ん?』
突然大声を出したかと思ったら、何を決めたんだ。
「君と、友達になりたい。…です」
「なので、なってくれませんか…?」
自信が無いのか、最後の方は小声で聞き取りづらい。
というか、なんで自信を持って言えないんだよ。
『最初から私が友達になってくれって頼んでるの。なるに決まってるでしょ』
そう言って右手を出すと、恐る恐るその手を握った。
こうなるまで長かったね。
『じゃあ今日から私と君は友達ってことで。ねぇ、一回サングラスとマスク取ってよ。顔が見たい』
「あ、うん…」
…思ったより大人っぽい見た目してるんだね。
おどおどしてるから子供っぽいのかと思ってたけど。
「あ、名前は橙井ジェル。今年で25歳になった」
『名前は覚えれたら覚えとく。25歳なの?私より4つも上なんだ』
「君は、沢村Aちゃん。21歳で会社勤め。朝とめんどくさいことが苦手…合っとる?」
『すごいね、全部合ってる』
ストーカーの知識凄いね。
急に喋り出したし…。
まぁ自分で色々言わなくていいのは都合がいい。
「覚えられたらって…そんなに俺に興味ないん?」
『元々人の名前を覚えるの得意じゃないんだよね。まぁストーカーの名前は例外だと思うけど』
「よ、喜んでいいんか複雑やな…」
少なくともまだ今は喜べる立場じゃないね。
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雪那 - やっば・・楽しみ!!ストーカーさん!その惚れ薬がさっさと聞いて、おとして付き合っちゃえ!((( (2022年11月29日 17時) (レス) @page9 id: 956d4fad93 (このIDを非表示/違反報告)
紗希 - ものすごくう好きだあああああああ (2022年5月7日 20時) (レス) id: 607c9e6e65 (このIDを非表示/違反報告)
アセロラスープ(プロフ) - sakiさん» ありがとうございます!(´ω`*) (2022年4月9日 11時) (レス) id: db90610933 (このIDを非表示/違反報告)
saki - すごいすきです。 (2022年4月8日 21時) (レス) @page9 id: f0b5225799 (このIDを非表示/違反報告)
アセロラスープ(プロフ) - 彼岸花さん» 私も頑張ってほしいです(*´ω`) (2022年2月20日 15時) (レス) id: db90610933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アセロラスープ | 作成日時:2021年12月1日 23時