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ない、と言ったことは嘘ではないけど
もしかしたら嘘なのかもしれない。
うまく表現できない、解決しようもない、
たかに話せない何かが心の中にあるのは事実だ。
……朱里さんのことも、
ふと芽生えた小さな不安も。
でも、私が今抱えているものは私自身のもの。
たかに話せばきっと一生懸命考えてくれて、私の心は楽になることはわかってる。
そしてそれをたかが迷惑にも負担にも思わないこともわかっている。
だけど…。
西「…そんな困った顔しないでよ」
自分の思考の中に沈んで黙り込んでしまった私に、たかが笑いかける。
「あ、ごめんね、えっと…、」
西「いや、こっちがごめん、無理に聞き出したいわけじゃないの、つい、ね。
Aのことが気になって仕方ないのは、ほら、俺の趣味だから」
「どっかで聞いたことありますね、気になるのが趣味って」
西「そう？」
「うん」
どこで聞いたのかなぁ、なんてくしゃりと目元を緩めて笑う。
西「さ、そろそろ行く？
今日はこの辺りのんびり散策しよ。あ、明日はさちょっと遠出したいから付き合ってよ。
で明後日は…どうしようか？」
軽くウインクなんてしちゃって、そんな仕草すら様になっていて悔しいほどに魅力的な人だ。
「遠出？」
西「そ、完全に俺の行きたいとこだけど、きっとAも気に入ると思う」
「どこに行くの？」
西「それは明日のお楽しみ」
差し出された手に自分の手を重ねる。
軽く引き上げられて立ち上がる。
「うん、あのっ、たか？」
西「ん？」
今何を言うべきか。
何か言わなきゃ。
あなたのことを信じてないわけじゃない、とか？
それも違う気がして結局私はまた口篭る。
「…ううん、なんでもない」
西「なんだそれ？」
言うこと忘れちゃったん？なんてそうじゃないことはきっとわかってるくせに、クスクス笑いながら心地いい強さで手を握りしめられて私もその手を握り返す。
言えないわけじゃない。
信頼してないわけじゃない。
それすらどう伝えていいかもわからない私。
言葉にできない自分がひどくもどかしい。
西「もー！そんな顔しないの！
だいじょーぶ！変なこと言ってごめんな」
ぽんと頭を撫でられて隣を見上げるといつもの笑みのたかがいてすごく安心する。
「ねぇ、たか。私あっちの方に行ってみたい」
西「よし、行こ！」
おそろいのスニーカーで歩き出す。
今はこの時間を楽しむ、そう心に決めて私も笑った。
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(´・ω・｀)(プロフ) - 大好きな人は。めちゃくちゃ素敵で何度も読み返してます！できたら、ショートのパスワード教えて欲しいです。 (10月29日 7時) (
レス) id: e27e13d6a3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 大好きな人は。とてめ素敵なお話でした(^^)♡こちらの作品も1から全て読みたいです！パスワード教えて頂けると嬉しいです！！ (2022年11月22日 1時) (レス) id: 7929bd4039 (このIDを非表示/違反報告)
eringi01030214(プロフ) - 先日読み終えたのでいまから見させて頂きたいと思ったらパスワードかかっていたので教えていただきたいです(；；) (2022年11月21日 3時) (レス) id: ea8392449b (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 今から読ませて頂きます♪1から全て読みたいのでパスワード教えて頂きたいです！！！ (2022年11月11日 9時) (レス) id: 6961cbc2a1 (このIDを非表示/違反報告)
eight888loooove(プロフ) - 大好きな人は。読ませて頂きました！ステキなお話で一気読みしてしまいました^ ^他の作品も読ませて頂きたいです！パスワード教えて頂きたいです。 (2022年11月5日 7時) (レス) id: 17095d27b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2020年5月27日 7時
