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たかが嬉しいと、私も嬉しい。
たかが楽しいと、私も楽しい。
たかと一緒にいると幸せで満たされて
怖いくらいに幸せ。
なのに…。
私の知らない過去を知ってるメンバーのみんなや、今進行してる私の知らない仕事とか、そのスタッフさんとか、羨ましいなって思ってしまうことがある。
そんな自分勝手で、醜い、黒くてずしりとしていて、自分でもそう思ってしまうことを認めたくない気持ち。
いつもは心の奥に押し込めている気持ち。
「ごめんなさい、私…、こんなこと思うなんておかしいのかな、やっぱり。
ちゃんと人間関係を作る方法を知らずに大人になってしまったからかな?」
わからない。
こんな、たかを縛るみたいな感情はいらないのに。
なぜ、と自問しても答えはわからない。
西「それってさ…要するに…俺のことが好き過ぎる、ってことやろ?」
「…え?」
西「俺もたぶん、そういうとこある」
わかるやろ?
と複雑そうな顔で私の頭をひと撫でしたたか。
西「俺なんて独占欲のかたまり。
結婚しててもなんか安心できなくて、嫉妬したり、そう、こないだもさ、名字の言い方ひとつとってももやもやしてさ。ちょっと見えないだけで心配になって、離れてるときまで存在を確認したがるし。
そう、それも、これも」
そう言ってたかは私の腕についているブレスレットを指でなぞる。そしてその手は耳のピアスに触れて、首元に降りてチェーンに通ったリングとともにつけているネックレスに指をかける。
西「自分が選んだものを身につけさせて、鎖みたいに縛ってないと安心できない、ウザくて面倒くさい、ちっちゃいやつ」
「そんなこと…っ」
西「それもこれも、」
私の言葉を遮ってたかは言う。
西「Aがただひとり、俺の愛しくて大切なひとだから」
そして、と見惚れるくらいの笑みを浮かべてたかは言った。
Aを愛してるから、と。
西「だから俺も本当はAのすべてを独り占めしたい。俺しかいない安心で穏やかな、なんの心配も苦しみも痛みもない世界に閉じ込めてもいいって思ってたし、実際にそれを言葉にしたこと、あったよな?」
いつだったか…。
ボロボロだった私にたかが言ったことがあった。
マネージャーをやめてたかだけのために生きる私になればいいって。
「う、ん」
西「俺も相当、歪んでんだよ」
苦笑いしながらたかはフォークを手に取り、ケーキを起用に切って、はいと私の口に運ぶ。
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(´・ω・`)(プロフ) - 大好きな人は。めちゃくちゃ素敵で何度も読み返してます!できたら、ショートのパスワード教えて欲しいです。 (10月29日 7時) (レス) id: e27e13d6a3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 大好きな人は。とてめ素敵なお話でした(^^)♡こちらの作品も1から全て読みたいです!パスワード教えて頂けると嬉しいです!! (2022年11月22日 1時) (レス) id: 7929bd4039 (このIDを非表示/違反報告)
eringi01030214(プロフ) - 先日読み終えたのでいまから見させて頂きたいと思ったらパスワードかかっていたので教えていただきたいです(;;) (2022年11月21日 3時) (レス) id: ea8392449b (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 今から読ませて頂きます♪1から全て読みたいのでパスワード教えて頂きたいです!!! (2022年11月11日 9時) (レス) id: 6961cbc2a1 (このIDを非表示/違反報告)
eight888loooove(プロフ) - 大好きな人は。読ませて頂きました!ステキなお話で一気読みしてしまいました^ ^他の作品も読ませて頂きたいです!パスワード教えて頂きたいです。 (2022年11月5日 7時) (レス) id: 17095d27b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2020年5月27日 7時