26 side Nissy ページ26
休憩時間が終わり
レコーディングが再開される。
いつもどおり変わらない様子で仕事をしていたA。
さっきの話が気にならない訳ないのに、
あまりにいつも通りすぎた。
俺の心配のし過ぎだろうか…。
───
皆で机を囲みながら案をだしあって、
あーでもないこーでもない、と話してるとき。
ふと気づくとAの姿がない。
新「Aさんなら、みんなの飲み物無くなりそうだから買ってくるってついさっき出かけましたよ。」
西「ひとりで?」
新「はい。」
追いかけたいけど、今抜けるわけには行かない。
新「俺、見てきましょうか?今時間あるし。」
西「悪い、頼める?
ちょっとでも様子がおかしかったら教えて。
あ…もし。
Aに声かける時は
後ろからじゃなくて前に回ってやってくれる、かな?」
新「わかりました。」
新「ごめん、頼むな。」
そして目の前の仕事に集中しようと
頭を切り替えてた。
そして。
仕事に目処が着いて
気がつけばAも戻ってきていて。
時間もわりと過ぎていた。
西「お疲れ様でした!
あと一日、よろしくお願いします。」
スタッフさんたちに挨拶をしてスタジオを出た。
チームのみんなでホテルに向かう車の中。
Aは外を眺めながら首からかけた2つのリングをぎゅっと握りしめている。
新田くんにあの時の話を聞いたら
特に変わった様子はなかったと言っていた。
ただ、やけに周りを気にしていたらしい。
街行く人の中にあいつを探しているのかも知れない。
今も、さっきも。
ホテルに着いてフロントの前で解散した。
みんな夕飯を食べに出かけるんだろう。
そのまま外へと出かけていった。
西「A。」
「はい。」
西『なんかルームサービスで頼む?』
「はい。」
西「じゃ部屋戻ろう。」
頷いたAの腰を抱いて歩き出す。
特に抗うこともなくAは身を任せてきた。
部屋についてドアを閉めた途端
ぐにゃりと力が抜けたように
その場に座り込んだA。
「あれ…。」
西「…ったく。」
よいしょ、と抱き上げてソファに座らせた。
西「気ぃ張って疲れたんだろ?」
「え?」
西「ちゃんと、いつも通りのAだった。」
よく頑張ったな、そう言うと
隣に座った俺に寄りかかり肩に頭を乗せ
「たかにはお見通しだよね。」
Aはそう呟いた。
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(´・ω・`)(プロフ) - 大好きな人は。めちゃくちゃ素敵で何度も読み返してます!できたら、ショートのパスワード教えて欲しいです。 (10月29日 7時) (レス) id: e27e13d6a3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 大好きな人は。とてめ素敵なお話でした(^^)♡こちらの作品も1から全て読みたいです!パスワード教えて頂けると嬉しいです!! (2022年11月22日 1時) (レス) id: 7929bd4039 (このIDを非表示/違反報告)
eringi01030214(プロフ) - 先日読み終えたのでいまから見させて頂きたいと思ったらパスワードかかっていたので教えていただきたいです(;;) (2022年11月21日 3時) (レス) id: ea8392449b (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 今から読ませて頂きます♪1から全て読みたいのでパスワード教えて頂きたいです!!! (2022年11月11日 9時) (レス) id: 6961cbc2a1 (このIDを非表示/違反報告)
eight888loooove(プロフ) - 大好きな人は。読ませて頂きました!ステキなお話で一気読みしてしまいました^ ^他の作品も読ませて頂きたいです!パスワード教えて頂きたいです。 (2022年11月5日 7時) (レス) id: 17095d27b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2020年5月27日 7時