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一部屋足りなくて、
たかと同じ部屋になってしまったこと。
本当は嬉しい。
たかが仕事で家を空けることはよくあって、
そうすると大きなベッドにひとりきりになるとなんか落ち着かない。
寂しくて眠れなくて
ソファでウトウトしたりする。
30過ぎて何言ってるんだよって感じだけど
ひとりは相変わらず苦手だ。
今回は仕事だし。
もちろん一人部屋なのは
スタッフとしてはありがたいことだけど
たかのぬくもりを感じられない夜は
ちょっとだけ寂しいって思っていた。
たかに、仕事の疲れを取るためにちゃんと休んでほしいと思うと同時に仕事を終えたあとの時間を一緒に過ごせることが嬉しいと思ってしまった。
西「いつもと変わんないやん。
一緒のとこに帰るの。」
「そうですけど、なんとなく。
気になっちゃって…。
仕事なのにって。
それに、なんか…。」
西「なんか?」
「浮かれちゃってるの…
顔にでてません?私。」
気を抜けばにやけてしまいそうな頬を両手で押さえて
いつもと変わらない表情のたかを見上げる。
とりあえず部屋へと言うたかと共にエレベーターに乗る。
もうすぐ目的の階だというときにポケットの中でスマホが鳴る。
「はい、速水です。
お疲れ様です。」
いつもどおり電話に出ると、
監督さんからで。
監「速水さん?西島さんでしょー?
ほら、言い直さないと。
そこににっしー、いるでしょ?」
明らかに面白がってる…。
二人きりのこの空間でそれを言うのすごく恥ずかしいのはなんでだろう。
でも。
「に、しじまです…。
お疲れ様です。」
かぁっと頬に熱が上がる。
要件を聞いて電話を終えたあと、ちらりとたかの方を振り返ると大きな手で顔の半分くらいを覆って瞬きを繰り返していた。
西「着いた、行くよ。」
「…っ、はい。」
廊下の一番奥。
カードキーで施錠を解除してドアを開けて
先に部屋に入った私。
「…っ!」
覆いかぶさるみたいに私を抱きすくめたたか。
そのまま壁に押し付けられる。
「た、か…?
っ…んっ、ぁ…ん…っ、」
両肘を壁について
腰を密着させて
身動き一つできなくさせる。
突然重なる唇。
喰まれてなぞられる。
角度を変えて繰り返されるそれ。
耐えきれなくて開いた唇。
絡み合い
吸い上げられて、辿られて。
頭の中に響くキスの音が
思考を溶かしていく。
西「A…。」
キスの合間に名前を呼ばれると
きゅっと胸が甘く疼いた。
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(´・ω・`)(プロフ) - 大好きな人は。めちゃくちゃ素敵で何度も読み返してます!できたら、ショートのパスワード教えて欲しいです。 (10月29日 7時) (レス) id: e27e13d6a3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 大好きな人は。とてめ素敵なお話でした(^^)♡こちらの作品も1から全て読みたいです!パスワード教えて頂けると嬉しいです!! (2022年11月22日 1時) (レス) id: 7929bd4039 (このIDを非表示/違反報告)
eringi01030214(プロフ) - 先日読み終えたのでいまから見させて頂きたいと思ったらパスワードかかっていたので教えていただきたいです(;;) (2022年11月21日 3時) (レス) id: ea8392449b (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 今から読ませて頂きます♪1から全て読みたいのでパスワード教えて頂きたいです!!! (2022年11月11日 9時) (レス) id: 6961cbc2a1 (このIDを非表示/違反報告)
eight888loooove(プロフ) - 大好きな人は。読ませて頂きました!ステキなお話で一気読みしてしまいました^ ^他の作品も読ませて頂きたいです!パスワード教えて頂きたいです。 (2022年11月5日 7時) (レス) id: 17095d27b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2020年5月27日 7時