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西「なかなか日本ではこういうことできないもんね。」
「うん。」
西「楽しもうな。せっかくの時間だしさ。」
「はい。」
西「もちろん、スタジオ着いたら鬼マネージャーに怒られないようにちゃんと仕事します。」
「鬼ってひどい!でも、お願いします。」
西「俺さ。
久々にAと仕事できるの、すっげぇ楽しみなの。」
「私も。」
顔を見合わせて笑い合う。
なんだかんだ言っても
お互い仕事人間なのは一緒だ。
新婚旅行という二人の時間が待っていることもあるけど、まずなによりも。
たかの一番大切にしてる
歌の仕事にまた携われることが純粋に嬉しくてワクワクしていた。
たかも同じように思っていてくれたことが嬉しかった。
そんな会話をしながら駅について
前に来た時と同じホームから電車に乗る。
「あんまり変わってないですね。」
西「だな。」
どうしても思い出す。
あの頃。
好きで好きでたまらなかったのに、
一緒にいることを選べていなかった私達。
「あの頃はこんな風に一緒にいる未来がくるなんて、思わなかったなぁ。」
ぼんやりと流れる景色を見ながら
ふと言葉にした私。
隣に座るたかは
腕を組んでウトウトしてる。
電車の揺れに合わせて
私の頬に触れる髪がくすぐったい。
なんかすごく幸せだ。
「ありがとう。たか。」
繋いだ手に少しだけ
握りしめる。
西「…ん?」
「あ…ごめん、起こしちゃった?」
西「…や、大丈夫。
なぁ今日は…挨拶だけだったよな?」
「はい。ホテルに荷物置いたらスタジオに行って現地のスタッフさんと顔合わせを兼ねた食事会です。」
西「了解。」
スマホを操作しながら返事をしたたかが
思い出したように言う。
西「そうだ、事前にもらってた音源に仮で歌入れしたやつあんの。聞く?」
「はいっ聞きたいです。」
西「おっけ。ちょっと待ってよ、あ、これだ。」
私は手渡されたイヤホンから流れる
大好きなたかの声を聞き漏らさないように
目を閉じて耳に神経を集中させた。
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(´・ω・`)(プロフ) - 大好きな人は。めちゃくちゃ素敵で何度も読み返してます!できたら、ショートのパスワード教えて欲しいです。 (10月29日 7時) (レス) id: e27e13d6a3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 大好きな人は。とてめ素敵なお話でした(^^)♡こちらの作品も1から全て読みたいです!パスワード教えて頂けると嬉しいです!! (2022年11月22日 1時) (レス) id: 7929bd4039 (このIDを非表示/違反報告)
eringi01030214(プロフ) - 先日読み終えたのでいまから見させて頂きたいと思ったらパスワードかかっていたので教えていただきたいです(;;) (2022年11月21日 3時) (レス) id: ea8392449b (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 今から読ませて頂きます♪1から全て読みたいのでパスワード教えて頂きたいです!!! (2022年11月11日 9時) (レス) id: 6961cbc2a1 (このIDを非表示/違反報告)
eight888loooove(プロフ) - 大好きな人は。読ませて頂きました!ステキなお話で一気読みしてしまいました^ ^他の作品も読ませて頂きたいです!パスワード教えて頂きたいです。 (2022年11月5日 7時) (レス) id: 17095d27b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2020年5月27日 7時