歩む道。 〜With a lot of love〜

2 ページ2

ある日、仕事の用事だとチーフに呼び出されて会議室に向かう。


指定された時間にその部屋のドアを開く。



「速水です。」


どうぞ、という声にドアを開けて
そこにいる人に驚いた。


西「A？」

「た、…西島さん？」



お互いがいると思ってなかったから驚いて顔を見合わせる私たちを面白そうに見てる松浦会長とチーフ、
それにTeamNissyのスタッフさんたち。


チ「急にごめんね、座って。」

「はい。」

勧められるまま椅子に座る。


松「速水さんに仕事のお願いがあって。」


話し出したのは会長。


「はい。」


松「特別業務をお願いしたいんだけどね、
もちろん、お給料は今のと別。」


「はい…。できること、でしたら。」


そう答えた私を見て、会長はチーフに目配せした。








チ「期間限定でマネージャーに復活してくれない？」









西「ええっ？！」


「え…。」


私より先に声を上げたのはたかだった。




梨「すみません、速水さん。
本当は私が行く予定だったんですけど。

あの…妊娠が、わかりまして…。」


あれからずっと
たかを主に支えてくれてる梨々花さん。
もちろんサブや交代で入ってくれる人もいるけど、主に動いてるのは梨々花さんだ。



話を聞くと。


来月に予定していた
Nissyの海外レコーディング。
合わせて別曲のMV撮影、その他の企画などいろんなものをぎっしり詰め込んだスケジュールだそう。

それに同行するのはやはり梨々花さんしかいないはずなのに、その梨々花さんがおめでたとのこと。


長い海外ロケは少数精鋭になるし、
特に癖のある西島さんと付きっ切りで仕事ができる人材が見当たらない、ということで。


チ「速水ならね、つきっきりもなにも、一番適任よねぇ、にっしー。」


面白がってそういうチーフにすこしふくれっ面で応えるたか。




西「俺、初耳なんですけど。」


松「だって初めて言ったもん。」



松浦会長も茶化すから、
ますます面白くなさそうな顔になっていく西島さん。


松「で、どう？」


「私は構いません、けど…。」




ちらりとたかを見る。




松「西島は？」


西「そうするしかないならしょうがないっすよね。」




なんてかわいくない答え。




チ「じゃ決まり！
詳細の資料はメールで送っとくから。」




ものの10分で終了した打ち合わせだった。

3→←1 Prolog

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す