歩む道。 〜With a lot of love〜

18 side Nissy ページ18

ク「A！
また君にあえて嬉しいよ！」

「私もです！」


両手を広げてハグしあうAとクリス。




そんな二人を見て
ぴくっと反応する俺を面白がって見てるチームNissyのみんな。




ス「にっしーいいの？大切な奥さん抱きしめられてますけど？」

西「挨拶だし…ね。」




俺の目の前で他の男と抱き合うなんて…。
いくら挨拶でもさ。



でも、さっきまでの甘い時間を思いかえしてぐっと堪える俺。




Aは俺のもの。
もう誰にもあげない俺だけのもの。
俺の奥さん。
だから大丈夫、嫉妬しない。
いらっとしない。

なんとか自分に言い聞かせる。






ク「Nissy！
このあとみんなで一緒にディナーだね、楽しみ！
はじめましてのメンバーも紹介するからね。」



西「ほんと？楽しみだ！ね？」



みんな笑顔で
もちろんAも笑顔で。


いい仕事ができそうな予感がしていた。






そして、現地のスタッフさんたちと一緒にレストランに向かう。

こっちでもスタッフさんの入れ替わりはあるみたいではじめましての人が多い。




だいぶ前から英会話のレッスンを受けてた成果もありAの通訳なしでも会話ができるようになってきた。
コミュニケーションが自力で取れるっていうのはやっぱり大事。



たまに言葉に詰まると
隣に座るAが助けてくれる。



やっぱり
Aの隣は最高に居心地がいい。






ク「Nissy！今回もいい作品作ろう！」

西「もちろん！」




拳を合わせて微笑み合う。





それを見てるAが嬉しそうに笑う。





「西島さん？」



西「ん？」



「いい仕事ができそうですね。なんか久しぶりにワクワクしてきた。」



アルコールが入ってるせいもあるのか
潤んだ目と赤い頬。
歳を重ねても変わらない可愛らしさに加えて、どこか艶めいて見えるAを思わずじっと見つめる。




「どうかしました？」

西「や、なんも。…あ、強いて言えば。」

「ん？」

西「さっきのこと思い出してた。乱れちゃってかわいかったなぁって。」




両隣が現地のスタッフさんだということをいいことにこんなこと言ってる俺。




「なっ…！何言ってるんですか？ばかっ！」





赤い頬がさらに色濃く耳まで染まる。
ばしっと俺の肩をAが叩く。




その左手に光る指輪が店の照明にキラリと輝くのすら嬉しかった。

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