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その場所へ来るといつも。
なんだか落ち着かない。
いつの頃からかあまり笑顔を
向けてくれなくなった両親を思いながら
お墓をきれいにして、
線香に火をつける。
きっと、今の私は
父や母か思い描いた理想の娘ではない。
手を合わせて目を閉じる。
お父さん、お母さん。
私ね。
結婚したい人ができたよ。
彼と家族を作りたい。
だから。
あの家とさよならさせてください。
もう、私には必要ない場所。
ごめんね。
でも私ね、今すごく幸せだよ。
お父さんとお母さんの子供だったから、
たかと出会って恋ができた。
だから、
お父さん、お母さん。
ありがとう。
知らずにこぼれた涙を拭っていた私の頭を
渉先生がそっと撫でた後。
渉「Aさん、Aさんにすべてを話します。
今までの私の勝手な行いを
どうか許してください。」
墓石に向かって目を閉じ
手を合わせた渉先生。
そして私の方を見て話し始めた。
渉「いつか、すべてを話そうと思っていた。」
先生の少しだけ緊張した顔に
自然と背筋が伸びる。
先生の口から聞かされた
話には驚くばかりだった。
渉「俺はAちゃんの両親が決めた
Aちゃんの婚約者なんだ。」
「え…？」
渉「遺言執行者、ってわかるかな？」
両親は私が大学に入学した頃、
両親は二人で遺言書を作っていたこと。
ひとり娘で、世間知らずで
頼る親戚もない私。
もし、自分たちが先に死んだら
私はどうなるのかと考えた両親。
遺言執行者、
すなわち、両親の死後に
相続の手続きをする人に
私の結婚相手を据えることを
考えたそう。
渉「君が大学を卒業したあと。
苦労せずに生活できる相手。
世間知らずの君を守れる人間。」
まあ他にも条件はあっただろうけどね、
と言う渉先生。
「それが…渉先生…？」
渉「君のお父さんと俺のの父が知り合いだった。
年齢も職業も、
知り合いの息子っていうところも
ぴったりだったんだろうな、きっと。」
空を見上げ、
話し続ける先生。
渉「最初、その話を聞いたときは驚いたけど。
なんとなく、今時珍しいそんな話に
興味を持って
一度Aちゃんの演奏を聴きに行ったんだ。」
知らなかった事実たち。
私は何も反応できずにただ黙って聞いていた
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リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
