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西「Aっ！」
いつの間にか私を抱き寄せていた
たかが私の名前を呼ぶ。
知らずに閉じていた目を開くと
自分の両手を見つめて
ポロボロ涙をこぼす徹くんがいた。
徹「Aさんっ！
ごめんなさい、俺！
わざとじゃ…ないんだ！
ごめんなさい、ごめんなさいっ！」
泣きながら謝る徹くんの姿。
西「A！大丈夫か？」
「かすった、だけ…？平気。」
だから大丈夫、なのに。
なのに。
カッターナイフには血がついてる。
なんで？
「え…たか？」
たかの腕の中で
たかの顔を見上げる。
西「この…バカっ！
何してんだよ？！」
「え…あ、ごめ、んなさい。」
西「刃物持ってるやつのとこに
飛び込むなんて…
ありえねぇだろ…。」
たかは、息を吐いてぎゅっと片手で私を
抱きしめ直す。
「つい…。
徹くん助けなきゃって…。」
血が…血が…
と泣きじゃくる徹くんを見て、
私は彼に声をかけた。
「バカなこと考えないで。
そんな終わり方、絶対にだめ。」
徹「だって…、俺はもう…。」
「少しでも私に悪いと思ってくれる気持ちが
どこかにあるのなら…
もう、全部忘れて。
徹くんの人生、やり直すって
約束して…。」
徹くんを前に立ってることだけで、
息が苦しい。
私が1年以上かけても
あの出来事をちゃんと乗り越えられてない証だ。
でも。
「これで…今日で。終わりにしよう？」
そう言葉にした。
徹「Aさん…。
こんな俺をまだ許すんですか？」
「許すなんて、多分ずっと…
できないと思う。
でも、きっと過去にする。
だから、徹くんも、
もう前を向いて。」
西「今度こそ、Aの気持ち。
ちゃんと受け止めてほしい。
頼む。」
たかは
私を抱き寄せたまま
頭を下げた。
その後ゆっくり顔を上げて
徹くんを見据えて言った。
西「そして…
二度と俺達の前に現れるな。
自分の道を歩いてほしい。
俺達とは交わらないお前の道は
ちゃんとあるはずだ。」
涙を流し続ける徹くんが
小さく、でも確かに頷いて
よろよろと立ち上がった。
徹「約束、します。
こんなことした俺だけど…。
俺は…もう…、今度こそ。
Aさんを忘れ、ます。」
途切れ途切れの言葉だけど、
ちゃんと忘れるって
言ってくれた。
西「行こう、A。」
たかの声に私も頷いて
私達は徹くんに背を向けた。
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リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
