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渉「今のAちゃんは
たくさんの辛いことを自分の力で
乗り越えてきた。
もう世間知らずのお姫様じゃない。
強くたくましくなった。
ちゃんと、
自分の足で立ってる。」
それにね、
と話し続ける渉先生。
渉「君はちゃんと、
ご両親に愛されていたんだよ。
その愛し方はひどく不器用だったけど
ちゃんと君のことを想っていた証が
俺という存在だったり、
この手紙なんだよ。
だから。
自信を持って、
胸を張って、生きていってほしい。」
さっきから、
ずっと流れている涙は
止まることを知らない。
声を上げて泣きはじめた私を、
ふわりと抱き寄せた渉先生。
思わず体を硬くした私。
渉「こうするのは最初で最後。
もう、俺の役目は終わりだから
少しだけこうさせて。
それで、
泣きたいだけ泣いて、
西島くんのところへ帰りなさい。」
ずっと渉先生の存在が
私の支えだった。
そこにいてくれるって思うだけで
頑張れた。
今の私がいるのは、
先生のおかげ。
「先生…。ありがとう。」
ぎゅっとしがみつくと
ぽんぽんと
背中を撫でてくれる。
その手は
たかと違う温かさだったけど
とても安心するぬくもり。
渉「幸せになるんだよ。」
「はい…。」
そしてしばらくして。
泣きすぎたのか
歩くのがやっとなくらいフラフラの私。
渉先生に抱え込まれるように
車に乗せてもらった。
泣き疲れて
ぼんやりする意識の中。
シートに凭れ
知らずに意識を手放そうとしていた
私の耳に届く渉先生の声。
渉「ごめんな…。」
「…え？」
渉「いや…。
着いたら起こすから少し休んで？」
ごめん、って…。
「今…何か…？」
渉「ん、何でもないよ。ほら、目を閉じて。」
渉先生の大きな手が
私の目に重なる。
その感触が心地良くて目を閉じる。
「先生…？」
渉「ん？」
「また、一緒にご飯、食べてもらえますか？」
渉「もちろん。」
「よかった。」
私とって
渉先生はとても大切な人だ。
今、私の周りにいる人たちは
誰も知らない私を知ってる唯一の人。
両親が望んだ未来にはならなかったけど。
私は渉先生に出会えてよかった。
渉先生の返事を聞いてとても安心して、
私は意識を手放した。
渉「好きだよ、
いや、好きだったよ。
Aちゃん。」
そんな私に渉先生が呟いた言葉は
私に届くことはなかった。
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リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
