391 side Nissy ページ41
それから考えに考えて、
今、と思えた。
もう、昔みたいに
勢いだけで突っ走ることもなくなって。
ちゃんと体のケアもしながら
音楽と向き合ってる。
Aはと言えば。
あのあとすぐ鎌倉での生活を終え
東京へ戻ってきた。
今は拓実さんたちの仕事を時折手伝いながら、
avexで音源を作ったり、
デビュー仕立ての子の
スタジオミュージシャンのような形で
ピアノを弾くことを仕事にしてる。
結果的に私はピアノから離れられないのかも、
なんて言いながらも
楽しそうにピアノを弾く姿を見ると
なんだか俺も嬉しい。
「…？たか？」
西「え？あ…ごめん。」
「急にぼんやりして、どうしたの？疲れてる？」
心配そうに俺を見つめるA。
西「いや、なんでもない。
後でちょっと話があって。」
「話？なんだろ？」
西「食べ終わったらでいいよ。」
「うん。」
そしてご飯を食べ終わった後、
大切にしまってあった一枚の紙を取り出した。
西「Aに提案があるんやけど。」
「はい。」
西「これ。
この後日付変わったら出しに行かない？」
Aの前に広げたのは
俺達二人の名前が書かれた婚姻届。
「え…？これ…。」
証人の欄には拓実さんと、
長瀬さんの名前。
西「勝手に頼んできちゃった。ごめんな。」
俺達がこうしてここにいられるのは
たくさんの人のおかげで。
誰に証人をお願いしようか、
考えに考えて。
この二人に頼んだ。
「ううん。すごく嬉しい、です。」
西「さすがに普通の時間に
一緒に役所に行くのは難しいからさ。
夜ならあんまり人目につかないかなって。」
「事務所に話は、したの？」
西「うん、今日社長に言ってきた。
明日入籍します、
まだ本人に了承もらってないけどって。」
そう言うと、
くすくすと笑うA。
「了承なんて…私はいつでも。
それを書いた日から、気持ちは変わってないよ。」
西「たくさん、待たせてごめんな。」
出会った頃は24歳だったAも、30歳を超えた。
俺も30代半ば。
「そんなことない。
今が私達にとってのベストだよ、きっと。」
西「またこれから少し、
きっと周りが騒がしくなるけど…。」
「覚悟はとっくにできてる。」
前より強くなったはず、
そう言ってわらうAの首には
チェーンに通した2つの指輪が
連なって光っていた。
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リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
