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350 side Nissy ページ50

西「来るって…」


「たか、今日も遅かったんだね。
ご飯食べる?」


俺の言葉をちゃんと聞かないA。


西「ね、なん…」


「あ…先にお風呂?」


西「ちょっ…、」



何故か俺の目を見ない。
ぎこちない動きで
お風呂のスイッチを押すAを
後ろから抱きしめる。



西「A。」


「…ん。」



Aの肩に頭を乗せて
ぎゅっと抱きしめる。



西「どうした?なんか変だよ?」


「…。」


西「ちゃんと顔、見せて?」


そう言うと、首を横に振るA。


「あの…恥ずかしいっていうか、
照れるっていうか…。

変なの、私。」


思いもよらない可愛い反応。


西「なんだそれ。」


そう言いながらも。


知らず知らずに積み重なっていた
不安やプレッシャーとか。
逢いたかった時間とか、
共有したかった想いとか。



色んなものが一気に込み上げて
なんだか泣きそうだ。



西「こっち向いて。」


おずおずと
体をこちらに向けたAの頬に手を添えて
その瞳の中に俺を映す。



前より元気そうだし、
ここを出た時より和らいでる雰囲気。


なのに視線を彷徨わせ、
Aは俺から目を逸らす。


「…あんまり、見ないで?」


西「なんでよ?」


「無理なの。

あの…ここで一緒に住んでたとき。
私、どうしてたんだろ…?

なんか…すごくドキドキする。
たかがかっこよすぎて、無理。」



どこまで
俺を翻弄させたら気が済むのか。

Aの口からでる言葉が
俺の頭の中を溶かしていく。


伏せた目を縁取る睫毛の一本一本すら
愛しくてたまらない。
全部、俺のもの。



「なぁ。


この前あった時、
俺が言ったこと覚えてる?」



そう問えば、
小さく頷いて俺を見上げたA。



「…ちゃんと覚えてるよ。
全部。
忘れるわけ、ない。

たかは?」



西「俺だって忘れるわけ、ない。」



そう言って俺は、Aを抱き上げた。

寝室のドアを開け
ベッドにAを降ろして
真上から見下ろす。


顔にかかる髪をそっと避けてやると
やっと自分から俺を見てくれたA。


キスをしようとした時。


「あ…。
まだ、言ってなかった。」


西「何を?」


「…ただいま、たか。」


俺の大好きなAの笑顔で
そう言った。


それ、今言う?
Aには敵わないなぁ、やっぱり。


西「おかえり。A。」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
歩む道。7
終了です。

歩む道。8
公開しました!続きもよろしくお願いします!

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ふみさん» 今更お返事ごめんなさい!いつもありがとうございます!続き頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 今更感ありありのお返事でごめんなさい(泣)読んでくださりありがとうございます!お詫びに?更新頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - めっちゃいいとこ!!早めに続編頼みます! (2019年11月25日 23時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 本当に、ほんっとうに主人公さんの可愛さにはかなわない。というかリリィさんにはかなわない!読むのが楽しみで頑張れます。いつもありがとうです〜 (2019年11月25日 20時) (レス) id: d7256c5ba1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» 帰ってきちゃったー☆予想通り、ですかね笑 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年7月11日 20時

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