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ずっとここにはいられない。



それはわかってるし、
そのつもりもなかった、はずなのに…。



千「真司郎…。なんか大人になった?」



千晃さんが驚いた顔で言う。



実「うん。


なんか、キャラじゃないこと言ってる。」



千晃さんと実彩子さんは顔を見合わせる。



與「俺かて、こういうの恥ずかしいけど!!
でもなんか、そう思って…


って、Aちゃん?
泣かんでよー。」



「ごめんなさい…。

泣くつもりなんてないのに…。」



こぼれ落ちる涙をゴシゴシと手の甲で
拭う。



実「ね、Aちゃん。

そのドアを開けたすぐそこに
待っているのは怖いものじゃない。


にっしーがいる。
私や千晃、他のメンバーも。
さくらも。


Aちゃんのことを
大切に思う人たちが待ってるんだよ。」



言葉を選びながら、
実彩子さんが言ってくれた。



その時。


ぐっすり眠っていた千晃さんのお子さんが
泣き声を上げる。



千「あー、起きちゃったかぁ。

よしよし。
大丈夫、ママいるよー。」



千晃さんは立ち上がり
側に寝かせていた赤ちゃんを抱き上げた。

窓から差し込む午後の光に包まれて、
子供を見つめる柔らかい笑顔の千晃さん。
なんて幸せそうなんだろう。



千「私は、今日ね。
Aちゃんにお礼を言いに来たの。


にっしーのライブに呼んでくれたあと、
ちゃんと話せてないままだった。


あの時ね、にっしーのあの歌を聞いて。
勇気が出た。
色んなこと言われるのは覚悟してたけど。
それでもやっぱり傷つくことも
たくさんあった。


でも、私は私の信じた道を行く。
誰に何を言われてもね、
怖くないって思えるようになったのは…。




Aちゃんが
あの場に呼んでくれたおかげなんだよ。


だから、
ありがとう。」




千晃さんの言葉が優しく響く。


そして私の隣で
実彩子さんが泣いていた。




実「あの頃。
私は、表立って千晃に何もしてあげられなかった。


千晃が、どんなに悪く言われても
庇うこともできなくて。


苦しくて辛かった。



そんな時、千晃が聴いたっていう
にっしーの歌をスタッフさんに頼んで
聴かせてもらったの。


もうね…。
やられたって思ったよ、あれには。」



ね、真司郎?
と與さんに問いかけた実彩子さんに
頷く與さん。



與「ほんまに。

そして、それを千晃に聴かせようと
動いたAちゃんにもな。」

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ふみさん» 今更お返事ごめんなさい!いつもありがとうございます!続き頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 今更感ありありのお返事でごめんなさい(泣)読んでくださりありがとうございます!お詫びに?更新頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - めっちゃいいとこ!!早めに続編頼みます! (2019年11月25日 23時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 本当に、ほんっとうに主人公さんの可愛さにはかなわない。というかリリィさんにはかなわない!読むのが楽しみで頑張れます。いつもありがとうです〜 (2019年11月25日 20時) (レス) id: d7256c5ba1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» 帰ってきちゃったー☆予想通り、ですかね笑 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年7月11日 20時

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