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257 side Nissy ページ7

朱里「その条件、飲むわ。」



社長「ものわかりが良くて助かるよ。

じゃあ、これからの話は別室でしよう。」


社長がそう言うと、
知らない誰かが部屋に入ってきて、
朱里を連れて行こうとその腕をとった。


されるがままだった朱里が
部屋を出る手前で、
ふと立ち止まる。




朱里「私…。
謝らないから。

Aちゃんは、
このあともきっと幸せなままでしょ?

みんなに大切にしてもらうんでしょ?


だから、私だけは絶対…。
謝らない。」



こちらを向かず、
そう言って部屋を出ていった。



社長「それから、そこの若いの。」



社長は徹に向かって話しかけた。



茫然とAを見つめていたそいつ。



社長「やってしまったことを考えると、
解雇相当のことだ。


犯罪だ。
許されない。」



冷たく言い放つ
社長。


徹「俺はただ…


速水さんが…。


速水さんが苦しんでるから
助けてあげてって言われて。


朱里さんが…悪い人だなんて…
知らなくて…。

速水さんが好きで。
それだけで…。」



涙を流しながら
Aにじりじりと
近寄る。



実彩子が、
Aを抱きしめるように庇う。



でも。



「徹くん
ご、めんなさ、い。


私は…
西島さんが…好きなの。


苦しんで…なんか、ない。」



Aは、
ちゃんと徹に向き合った。



殴られた頬は赤くなって、
唇の端から血がにじんでる。

自分を傷つけて
襲おうとした相手なのに。



震える声で、
涙を流しながら。


それでも思うことをちゃんと伝えようと
言葉を紡ぐ。




「わ、たし…っは…、にし、じまさ…んの…
そば、に…。」



西「A?」


でも変な呼吸音と共に
苦しそうに顔が歪んでいく。



西「Aっ。」
実「Aちゃん!」



床に倒れこむように丸まり、
胸元のリングを探す左手。


でもいつもそこにある
リングがない。



首を掻き毟るかのように動く手は、
Aの白い肌に傷をつけていく。



西「Aっ!」



大丈夫、ここにいる。



そう言いながら
Aの左手をぎゅっと掴んで、
背中を撫でる。




「…っごめ……ん…ね。」



それでもなお、
何かを伝えようとするAの頬に流れる涙。



徹「…っ…俺…」



両手を床について、
肩を震わせる徹。

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作品ジャンル:恋愛
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くま - 7も頑張って下さい!応援してます (2019年7月8日 23時) (レス) id: 6437146213 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 嬉しすぎるコメントに震えてます…(泣)身に余る言葉を頂いて幸せです!更新頑張ります! (2019年7月6日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます!幸せなところは書いてて楽しいのですwww西島隆弘にサプライズされる人生…ほしかった…。 (2019年7月6日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» いつもありがとうございます!更新頑張りますー!なんか中途半端に移行しそうな予感www (2019年7月6日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 西島さん大好きで読ませて頂いていましたが、私気付いた。リリィさんのファンだわ。本で読みたい。映画で観たい。リリィワールドやばいです。 (2019年7月5日 20時) (レス) id: 02f72dca97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年4月15日 20時

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