210 side Nissy ページ10
画面を見つめたまま固まってる俺に。
実「にっしー？」
心配そうに声をかけてくれる実彩子。
本当ならここにいるのも辛いだろうに、
気丈に話し合いに参加してる実彩子。
さっきまでの話し合いで、
「私個人としての感情はとりあえず
封印する。
今はAAAのために頑張る。
だから、千晃。
おめでとう、って本心からはまだ、言えない。
でも、ちゃんと言えるようになるから、
もう少し待って。」
笑ってそう言った実彩子。
やっぱり実彩子はひたむきで、強くて。
俺と付き合ってたときよりずっと、
いい女になった。
千「宇野ちゃん…。
ありがとう。
本当にありがとう。」
泣くのをこらえて、
抱き合う二人。
みんなで、AAAを頑張ろうってときに、
Aか、AAAかで悩んだなんて、
言えるわけない。
西「ん、ごめん。
どこまで進んだ？」
スマホをしまい、
笑顔を作る。
無駄に悩む時間なんて、
俺にはないから。
その後、グループでの仕事を終え、
ソロの仕事へ移動する。
Aからの連絡がないまま、
仕事を進めてると
途中、チーフから連絡がはいる。
チ「ごめん…にっしー。
速水、飲み過ぎて潰れちゃった。」
西「は？」
チ「実は女二人で飲んでたの。
あ、速水は悪くないよ。
私が仕事だって連れ出したんだから。
でも、今日はさ。
ちゃんと速水の本音を聞いておきたくて。」
西「で、Aは？」
チ「うちで寝てる。
どうする？
このまま泊めてもいいけど…。」
西「迎えに行く。
遅くなっても良ければ。」
最後まで聞かずに迎えに行くと言った俺に
笑いながら
はいはい、
と返事をするチーフ。
チ「近くなったら連絡して。」
そう言って電話を切った。
潰れるほど飲むなんてこと、
今までなかったのにな。
大丈夫、だなんて言って。
やっぱり大丈夫じゃないじゃん。
そんなことを思いながら、
仕事を終えて。
Aがいないから、
打ち合わせの内容をまとめてもらって。
もし…。
Aがいなくなったら…
なんて頭をよぎった考えを振り払って、
チーフの家にAを迎えに行った。
タクシーを待たせて、
教えてもらった部屋の前まで行く。
インターフォンを鳴らすと、
すぐ出てきたチーフ。
タクシーで帰ることを告げると、
チーフの旦那さんが送ってくれるという。
結婚してるなんて聞いてない、
と言えば。
言ってないからね、と笑うチーフの隣には
穏やかそうな割と年上の男の人がいた。
211 side Nissy→←209 side Nissy
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 480人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます！続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます！コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります！隆ヒーロー…隆弘っ！早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ
| 作成日時：2019年2月25日 8時
