248 ページ48
朱里「にっしーは。
本当はあなたのことなんて
何とも思ってないかもよ。」
そう言われて見せられたスマホの画面。
そこには、
少し前に朱里さんから送られてきた
西島さんと実彩子さんの写真と似たもの。
西島さんの手が実彩子さんの背中に回っていて、
抱き寄せてるように見える。
ドクン、
と心臓は動く。
でも。
目を閉じて息を吐いて、
たかのくれた言葉たちを思い出す。
Aしかいない。
Aがいい。
Aを愛してる。
「私は西島さんを信じます。」
そう言って朱里さんを見る。
「全ては私のせい。
西島さんは何も悪くない。
マネージャーでありながら、
西島さんを好きになってしまったこと。
諦められなかったこと。
ちゃんと、線を引けなかったこと。
私が悪いんです。
だから、西島さんにもメンバーにも
もう、こういうことはしないでください。
実彩子さんだって、
悩んで苦しんで、やっと前を向いて。
そしてまた、今。
困難に立ち向かおうとしてるんです。」
煙草を灰皿に押し付けて、
火を消し、
コーヒーを一口飲んだ朱里さん。
朱里「おいし。Aちゃんも飲んだら？
これを飲んだら今日は帰りましょう。
ゆっくり考えさせて。」
「はい。」
手にはじっとり汗をかいて、
カップを持つ手が震えてしまう。
情けないくらいに、
体が朱里さんに対して拒絶反応を
起こしてる。
コーヒーを飲んで、
もう一度朱里さんを見る。
朱里「初めてAちゃんを見たときに、
とても真っ直ぐな子だって思ったの。
それと同時に、
マネージャーという仕事に
ついていけるか心配にもなった。」
「え…？」
朱里さんの視線の先には
飲みかけのコーヒー。
だけど、きっと朱里さんが見てるものは
コーヒーじゃなくて
過去だ。
朱里「だけど、どんどん教えたことを覚えて
キラキラした目で仕事をしていて。
楽しい、頑張ろうって
そんな気持ちが伝わってきて。
あの頃から
羨ましかったのかも。」
「朱里さん…。」
朱里「さ、もう行きましょう。」
私はコーヒーを飲み干して、
朱里さんと店を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 480人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます！続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます！コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります！隆ヒーロー…隆弘っ！早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ
| 作成日時：2019年2月25日 8時
