235 side Nissy ページ35
「朱里さんと、会う約束をしました。」
話す、と言ってくれたAが、
くしゅん、とひとつくしゃみをした。
「二人で話がしたい、
私から電話をしてそう伝えました。」
ぎゅっと、手を握りしめたAが少し
震えていた。
西「家に帰ってから話せる？」
うん、と頷くA。
「もう、隠さないよ。
ちゃんと話す。」
Aは俺の目を見てそう言った。
あたりはすっかり暗くなり
寒さも増していた。
「たかは、大丈夫？
寒くない？
大事なときに風邪なんて引いたら…。」
西「俺は大丈夫だって。
道産子は寒さに強いの。」
「それ、前も聞いたね。」
小さく笑ったAのほうが
ふらついて倒れそうだ。
「泣きすぎたのかな。
頭がクラクラする。」
へらっと笑ってるけど、
足元がおぼつかない。
そんなAを
抱えるように歩いて
車まで戻る。
砂をはらって、車に乗る。
「たか…ごめん。
少しだけ、眠ってもいい？
頭が…痛い。」
滅多に聞かないAのそんな言葉。
よほど辛いのか。
西「いいよ。」
と答えた俺に
返事はなかった。
車が都内に入る頃、
「たか…。」
小さな声で俺の名前を呼ぶA。
西「A？」
隣を見れば眠ったままのA。
目の端から
溢れる雫。
本人は気づいてないかもしれないけど、
時々こうやって、
寝てるときに涙を流してる。
夢の中でも泣いてる。
西「なんとかしなきゃな。」
そっと頬に触れる。
あいつに
会う約束をした、と言った。
今までされてきたことを思えば、
一人で立ち向かうのはどれほどの恐怖だろう。
俺にできることは、
なんでもやる。
そう決意した。
家について、
Aを起こす。
西「A？着いたよ。」
「…え？あ、すみませんっ！
私、すっかり寝ちゃって…。」
西「ん。いいよ。疲れてたんだろ？」
車を降りて、
助手席のドアを開け手を差し出せば。
ちょっと照れた顔をして、
俺の手をにぎる。
立ち上がったAは
少しだけふらついてる。
西「大丈夫か？」
「はい。
ちょっと目がまわっただけ。」
なんとなく不安定なAを支え、
部屋に戻る。
Aが風呂に入ってる間。
俺は日高に連絡をした。
西「もしもし、日高？」
日高に連絡したのは…
NYPの日に話を聞いてもらったからだった。
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます！続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます！コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります！隆ヒーロー…隆弘っ！早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年2月25日 8時
