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エレベーターで上層階に上がり、
重厚なドアの前に立つ。



ドアをノックすると中から
どうぞ、
と言う声が聞こえた。



「失礼します。」



ドアと違って意外にすっきりした部屋の中。


そして、部屋の中には部長と
チーフが既にいて。


そのチーフの顔を見て
今から話されることが、
きっと私にとっていいことではないってわかった。


社長「速水Aさん、だね。」



「はい。」



社長「忙しいところごめんね。


まあ座って。」


入り口近くに立ちすくんでいた私は
勧められるままソファに座る。



私の向かいに座りながら、
社長が口を開いた。


社長「単刀直入にきくけど。


西島と付き合っているっていうのは事実?」


その言葉に
とうとうその時が来たのかもと、
心臓がどくんと音をたてた。




「はい。事実です。」



社長「どのくらいになる?」



「1年くらいです。」



正直に話すことに、
なんの躊躇いもなかった。



社長「そうか…。


今。
西島にとってすごく大事な時期だと言うことは、
近くにいる君が一番よくわかってると思う。」



「はい。」



社長「AAAとしても
デビュー11年でやっとドームに立てて、
これからって言う時に、
今、千晃のことでみんな混乱してるよね。」



「そう、ですね。」



社長「で。こんなものが送られてきた。」



社長が手に持っていた1通の封筒を
机の上に置いた。



中を見てもらってもいいかな、
という社長の言葉に
私はそれを手に取り、
中に入っていたもの取り出した。



「これ・・・。」



持っている手が震える。


社長「君と西島が
付き合っているという証拠。
それから君の経歴書。


それから。


過去に西島が
宇野と付き合っていたという証拠。」



どうやって調べたのか、
実家の住所、家族構成、
両親が亡くなった日や原因、
私のピアノの受賞歴までこと細かく記載されていた。


その後には私と西島さんの写真に加え、
西島さんと実彩子さんとの写真が何枚も付いていた。



「これは、誰が・・。」



胃が締め付けられるように痛くなる。
誰が、なんて聞かなくてもわかるのに、
勝手に口から出たその言葉。



社長「わからない。

でもその一番下の紙。見て。」




そこに書いてある文字を見て、
刺さるような衝撃を感じた。








速水Aから全てを。

西島隆弘には喪失感を。

そして、
私の存在を消したavexを許さない。








やっぱり朱里さんだと思った。

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設定タグ:AAA , 西島隆弘 , Nissy   
作品ジャンル:恋愛
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます!続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます!コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります!隆ヒーロー…隆弘っ!早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年2月25日 8時

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