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「ん!んんっ!」


体の真ん中を
ビリビリと走る気持ちよさのカケラ。

少しだけ残る理性を働かせて
抵抗しようとすれば、
手に指を絡ませ握りしめられて。

その大きな手が熱くて、
体から力が抜けていく。



鼻にかかったような
自分の声が恥ずかしい。


西島さんは力が抜けた私に満足したのか、
唇を片方だけ上げて笑う。

その意地悪な笑みにゾクリと体が震える。


耳を喰み、
首筋をなぞられる。


西島さんの手は少しずつ
体の中心へと移動して行く。



「やぁあ…っ、まってっ…んんっ、」



西「声、我慢しないと廊下の人に聞こえるよ?」



耳元で囁やかれて、
ハッとする。


繋がれていない手で口を覆う。


西「たまんないな。その顔。」


「え…?」


西「すげー欲しそうな顔してる。」



「な…っ!そ、そんな、こと…っ…」


思わず顔を背ける。



西「それじゃ…
キスできないじゃん。」


耳元で言われると、
頭の中にはもう、西島さんのことだけで
いっぱいになる。


両手を西島さんの首に回して、
自分から唇を重ねる。



彼の柔らかい唇が
満足そうに弧を描くのがわかる。



立っていられないほどの
気持ちよさ。



「も…ほん、とに…っ、だめっ…!
だ…か、らっ」



がくんと崩れ落ちた私と一緒に
座り込んだ西島さんを睨む。




「も…こんなとこで。

何するんですか!?」



西「仕返し、的な?」



「何の?」



西「俺を弄んだ?」



「そんなことしてません!」



くったりと身体を預けながら抗議したって
きっと逆効果だけど。


つうっと背中をなぞられ、
ビクンと体を揺らす。



「早く…」



西「ん?」



「早く帰りたい…。」


西「なんで?」



私の答えを分かってて
敢えて聞く西島さん。



「…もっと。」



たぶん、顔は真っ赤になってる。



西「欲深いなぁ…Aは。」


そんな言葉のあとに
ぎゅっときつく抱きしめられる。




一時の他愛もない会話が、
お互いしか見えないこの時間が
とても大切で愛おしい。



西「帰ったら、
嫌って言うほどしてあげる。

明日、オフで良かったね。」



語尾にハートマークがつきそうなほど、
意地悪で甘い言葉。



私のこと。
私以上にわかってる西島さん。


頭の片隅に残って離れない、
数日後の朱里さんとの約束。


本当は怖い。
本当は気づいて欲しい…。


なんて、バカなことを考えた。

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作品ジャンル:恋愛
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます!続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます!コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります!隆ヒーロー…隆弘っ!早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年2月25日 8時

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