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社長「その場に俺も一緒に行こうか？」
思いもよらない提案に少し驚く。
「いえ、ひとりで大丈夫です。」
社長「じゃあ。
せめて場所を提供させてくれないか。」
せっかくの申し出を何度も断るのは
申し訳ない気がして返事をする。
「…はい。
ではお願いします。
会社にご迷惑がかかることは
無いように気をつけます。
なので、
このことは、メンバーにもチーフにも、
秘密にしていただけますか？」
社長「わかった。約束するよ。
場所はここを使いなさい。
いつでもいいから。」
社長はその場所の住所をメモして
手渡しながら、
社長「君はここを去るつもり？」
と聞く。
「もし、私の交渉がうまく行けば。
そうなると思います。」
社長「その後はどうするの？」
「まだ…わかりません。
でも。
ここでいろんなことを学ばせていただいたので、
きっと生きて行けると思ってます。」
ありがとうございましたと松浦社長に頭を下げ、
背を向ける。
もう後戻りはしない、できない。
そしてそのすぐあと。
私は初めて自分から朱里さんに電話をかけた。
「速水です。
お話したいことが、あります。」
電話を持つ手は情けないほど震える。
背中に伝う冷や汗。
朱里さんの声を聞くだけで、
色んな出来事がフラッシュバックする。
きっと、
震えてる声に朱里さんは気づいてる。
それでもなんとか、
二人で会う約束を取り付けて
電話を切った。
その瞬間、強烈な吐き気を感じる。
千「Aちゃん！？」
駆け込んだ先のトイレで
私は偶然千晃さんに遭遇してしまった。
取り繕う余裕もなく、個室でしゃがみこんで
嘔吐とたたかう。
社長に会うこと、朱里さんに連絡することで
頭が一杯でほとんど食べてない私から
出てくるのは
水分ばかり。
吐くものなんかないのに、
こみ上げる吐き気に涙が目尻から溢れる。
何も言わずに
ずっと背中をさすってくれていた
千晃さん。
千「ちょっと落ち着いたかな？」
「はい…すみません。」
近くの長椅子に座らせてくれて、
手にしていた水を手渡してくれた千晃さん。
「ありがとう…ございます。」
キャップを開けて水を飲むと、
喉を通り抜ける水の冷たい感覚に
頭の中が少しずつクリアになっていく。
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます！続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます！コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります！隆ヒーロー…隆弘っ！早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年2月25日 8時
