212 side Nissy ページ12
「たか?」
どうしたの?とAは
俺の背中にそっと手を回す。
西「俺…、ごめんな…。
苦しめてばかりだ。
大丈夫じゃないのに、
大丈夫だと言わせる自分が
許せない。」
悔しくて悔しくて。
なのに、
AかAAAかと問われたら
どっちとも即答できない自分が情けなくて。
Aの手が俺の背中をトントンと優しく叩く。
まるで、
小さな子をなだめるように、
優しく。
「私こそ。
悩ませてごめん。
心配かけてごめんね。
でもね、大丈夫だよ。
今ここにいてくれるだけで、
充分幸せ。」
そう言うと、Aは
そっと体を離す。
そして俺の首に手を回して、
俺にキスをした。
いつもは恥ずかしがってるのか、
重ねるだけのキスしかしてこないのに。
今日は自分から差し入れて来る舌の
ぎこちない動き。
「しよ?」
上目遣いで、
そんなAらしくない言葉で誘われる。
それだけで
いつものAじゃないことぐらいわかるのに。
お互いに今ここにいることを確かめ合うように
夢中でキスを重ねる。
Aの体をベッドに沈めて。
着てるものをはぎとって、
がむしゃらに抱く。
「た…かぁ…っ
ん!っ…あっ、やぁ…ぁっ。」
いつもより、
もっと、もっと、とねだるA。
何かを刻み込むように打ち付ける俺。
立場も、状況も、
現実のすべてを忘れるくらい。
お互いに抱える
口にはできない不安を
打ち消すような
その行為。
俺達は何度も
くたくたになるまで抱き合った。
そして、
倒れ込んでAの首元に顔を埋めた
俺の背中を、
ぎゅっとした小さな手。
「たか…大好き、だよ。」
耳元でそう聞こえたあと、
体の横に落ちたAの両手。
西「A…?」
どうやら意識を飛ばしてしまったみたいだった。
「俺も。
愛してる、A。」
Aの耳元で呟いたあと、
疲れと眠気とが一気に襲ってきた俺も
そのまま目を閉じた。
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます!続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます!コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります!隆ヒーロー…隆弘っ!早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2019年2月25日 8時