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192 side Nissy ページ42

家に帰ってこれたのは朝方に近い時間だった。


みんなで集まっていたのは、
リーダーの家。


俺が到着すると、
もうみんな揃っていた。
千晃以外は。



実彩子は…。


リーダーの家に来たときから
既に酔っていたらしく、ソファで潰れていた。



浦「相当堪えてるだろうな…。」



みんな思うところは同じような感じで。



でもうまく話し合いにもならず、
結論も、打開策もなく。


ただ、
この先への不安が大きくなっただけだった。



一人で歩けない実彩子をおんぶして、
一緒にタクシーに乗り、家まで送ってから
自宅の住所を告げて、シートに凭れる。



Aからはなんの連絡もなくて、
勝手にもう寝てるだろうと思いこんでいた。





玄関を開けると、
リビングの電気がついてるのがわかる。




ドアを開けた俺の目に入ったのは、
床に落ちてるスマホ。



テーブルの上で倒れてるコーヒーのカップ。



開いたままのAの手帳。



ひっくり返った、Aのバッグ。




西「A…?」




そして、
ソファの影に
横たわっているA。


左手が首元で握ってるのが、
いつものリングで、
右手の近くにはタオルのハンカチ。



それが何を示しているのか…。




西「Aっ!」




過呼吸がでたんだってすぐにわかった。




西「A!Aっ!」



真っ青な顔で、
でも、俺の呼びかけにまつ毛を震わせて
微かに目を開いたA。





西「ごめん、遅くなって。

どうした?大丈夫?
なんかあった?

過呼吸?」


とりあえず目を開いたことに安堵する俺。


だけど
Aはその問いかけに答えることなく。



ポロポロと涙を流して


「どこにも…


…行かないで
置いてかないで…。

ひとりに…


しないで…。


おねが…い……」


虚ろな目で、
視線を彷徨わせて
そう言うとまた目を閉じてしまう。


目を開いたけど、
俺を見てない。


「Aっ!」



前にもこんなこと、あった。


そうだ。
Aが入院してたと時もこんなふうに
夢と現実の狭間で苦しんでた。


最近過呼吸が出てる様子はなかったのに、
この数時間で何があった?



さっきの送り出してくれた笑顔はきっと
嘘じゃない。
でも、一人にしないでと言うのも、
Aの本音だ。



Aのスマホを拾い上げると、
画面が表示される。



そこに、
メッセージの通知が残っていた。




〖きっとにっしーは帰って来ないよ。〗

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます!応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます!5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます! (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます!色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年1月1日 14時

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