136 side Nissy ページ36
パタンとドアが閉まると、
とたんに静かになる部屋。
パソコンの電源を切り、
ベッドに寝転がる。
Aの世界が広がることは
すごく嬉しい。
でも、
ふと思い出したのは、
村上ゆりかのことだった。
最後に会ってから数カ月がたち、
あいつは元気でやってるだろうか。
今でもあいつがしたことを許した訳じゃない。
結局Aとちゃんと話すことなく、
消えてしまった村上のことを
Aに話した時。
ものすごく驚いて、
そして悲しそうな顔をして、
ちゃんと話したかったと呟いた時の顔が忘れられない。
その機会を作ってやれなかったことの後悔を
どこかでずっと抱えていた。
西「考えても、仕方ないことなのにな…」
誰も聞いてないその言葉が、
余計に一人の部屋を広く感じさせて。
俺は目を閉じる。
疲れた体はいつもよりなんだか重たく感じる。
そして
あっという間に襲ってくる眠気に任せて
俺は意識を手放した。
西「あ、れ?」
なんでだ?
目を覚ました俺の視界に
Aが映る。
すうすうと寝息を立てるAは
さっきと違って、
リゾートっぽいワンピースを着ていた。
机の上には氷が溶けかかってる
フルーツたっぷりの飲み物。
袋に入っているのはお菓子?
いつ戻ってきたんだろう。
そっと頬に触れると、
「ん…。」
うっすら目を開くA。
「た、か…?」
西「ごめん、起こしちゃったな。」
「ううん…。大丈夫。
寝ちゃうつもりなかったんだけど…。
戻ってきたら、たかが寝てて。」
寝顔見てたら結局自分も寝ちゃったみたい、
と言う。
西「もっとゆっくりしてくるかと思った。」
「うん、楽しかったんだけど…」
西「俺に会いたくなっちゃった?」
冗談交じりに聞いてみれば、
「うん。」
って即答。
あまりに普通にそう言うから、
びっくりして言葉が出なかった。
「何飲んでも、食べても、見ても。
たかだったら、美味しいっていうかな?とか、
これ好きって言うかな?とか、
考えちゃって…。
そしたら。
逢いたくなっちゃった。」
その、はにかむような、照れたような、
うつむきながら小さく微笑む顔。
ぎゅっと心臓を掴まれたみたいに、
苦しくて、なんか切なくて。
両手を伸ばして、
Aを抱き寄せて伝える。
西「好きだ。」
あぁ、たまらなく愛おしい。
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リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます!できるだけはやく、4をスタートできるようにがんばります! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kikiwingwingさん» いつもありがとうございます!色々Nissy事が嬉しくて忙しいですね☆続きもぜひよろしくお願いします! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます!年内には4をスタートしたいと思ってます。よろしくお願いします☆ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - えーーー二人で歩む道けーへんの〜〜とめっちゃ気になります。次シリーズ楽しみにしてますね (2018年12月19日 1時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
kikiwingwing(プロフ) - プロポーズって!!最高です!コメント久しぶりですが、毎日リリィさんの更新も楽しみに待ってますよ!!大好きです! (2018年12月19日 0時) (レス) id: 3cf9c9f18d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年10月14日 21時