127 side Nissy ページ27
すやすや眠るAを
抱きしめながら思う。
あんなやり方して
記憶をすべて上書きすることなんて、
できないってわかってる。
Aのことを好きな俺以外、
Aの中から消してしまえたらいいのに。
そういう思いの裏側に。
Aが過去に嫉妬するほど俺のことを
想ってることが本当は嬉しいんだ。
自分の過剰な束縛心や嫉妬心を
自覚してるからこその、
黒い感情。
もっともっと、
俺でいっぱいになれ。
そんなことを思っていたら、
知らず知らずに
きつく抱きしめていたみたいで、
「んっ、た…か。
苦し…」
薄っすら目を開くA。
西「あ、ごめん…」
慌てて腕を緩めると、
Aは目を閉じたままで
かすかに笑う。
閉じられたその目を縁取る
長いまつげ。
白い肌に
ほんのりピンクの唇。
寝顔はいつもより幼く見えて、
愛おしい。
そっと柔らかな頬に触れれば、
ぴくっとまぶたが動いて
目を開いたA。
「たか?」
少し掠れた声が、かわいい。
「眠れないの?」
西「大丈夫。」
そう答えて頭を撫でれば
気持ちよさそうに目を閉じる。
「それ、好き…。」
しばらくそうしてると、
また眠ってしまったみたいで、
規則正しい寝息が聞こえてきた。
Aの暖かさを全身で感じながら、
俺も目を閉じた。
そして次の日。
午前中の便で東京に戻る。
行きも帰りもメンバーとは
別々のことが多いこの頃。
必然的に二人で行動することが多くなる。
「このあとソロの打ち合わせで、
その後事務所で取材が2件入ってます。
終わり次第スタジオに移動です。」
Aがスケジュールを確認しながら、
俺の少し後ろを歩く。
ひと目につかないルートを歩いていても、
どうしても、
バレてしまうときがある。
ヒソヒソと囁く声。
スマホのカメラのシャッター音。
この感覚はいつまでたっても慣れないな。
そんなことを思いながら、
歩いてると、
「すみません。」
そう言うA。
西「え?」
「写真…嫌でしたよね。」
西「別にAのせいじゃないじゃん。
むしろ、
Aが写ってるのが心配。
芸能人じゃないのに、顔バレる。」
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リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます!できるだけはやく、4をスタートできるようにがんばります! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kikiwingwingさん» いつもありがとうございます!色々Nissy事が嬉しくて忙しいですね☆続きもぜひよろしくお願いします! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます!年内には4をスタートしたいと思ってます。よろしくお願いします☆ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - えーーー二人で歩む道けーへんの〜〜とめっちゃ気になります。次シリーズ楽しみにしてますね (2018年12月19日 1時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
kikiwingwing(プロフ) - プロポーズって!!最高です!コメント久しぶりですが、毎日リリィさんの更新も楽しみに待ってますよ!!大好きです! (2018年12月19日 0時) (レス) id: 3cf9c9f18d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年10月14日 21時