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部屋に戻ろうかと思ったけど、
また一人で考えすぎちゃいそうな気がして。
そして、今は西島さんのそばにいたくて。


ソファに座り、見もしないテレビをつけて、
テーブルに残っていたワインをグラスに注いで、
飲んでみた。



目の前の映像は
何も頭に入ってこない。


もやもやする心を抱えたまま、
一人で飲んでも飲んでも
酔えなくて。



やっぱり、言えばよかった。



キスしてるとこ、
思い出しただけでヤキモチやいてたって。


素直に言えば、
きっとちゃんと受け止めてくれるのに、
言わずに誤魔化した私を
西島さんは
どう思っただろう。



今日は、アルコールに頼る日だな、


なんて思ってテーブルにあったお酒を
次々に空けていく私。


それでもなんだか虚しくて
片付けて部屋に戻ろう、

そう思って立ち上がってみたら、
頭は冷静なのに、足はフラフラで。


がくんとなって、
テーブルのかどにに膝をぶつける。



「いったぁ…。」



その衝撃でワインのボトルが
ゴトンと音を立てて倒れる。



その時。



我慢してた何かが
ぷつりと切れてぽろりと涙が溢れた。



「バカみたい、私…っうっ…っく…」



ぺたんと座り込んで、
唇を噛む。



西「A…?

どうした…、っえ?


泣いてるの?」



私のそばに膝をついて、
どうした?大丈夫?
って、何回も聞いてくれる。



頷くのに、涙が止められない私。


なんとか、


「膝、ぶつけた…」


って言えば、そっと両腕を握って、
ベッドの端に座らせてくれた。



西「大丈夫?痛かった?」


と西島さんに聞かれ
うん、と頷く。



西「そっか。」



隣に座って、よしよしと頭を撫でてくれる。



「酔ってないと思ってたのに、
足に来ちゃってたみたい。


恥ずかしいね、へへっ。」



机の上には私が空けた缶チューハイが3本。
空になったワインの瓶。




西「どうしたの、Aらしくないよ?

そんなに酒強くないくせに。」



西島さんは、冷蔵庫から水を出してきて、
フタを開けて私に手渡した。


一口飲めば冷たい水が喉を通り抜けていく。



「なんでもな…。」



西「なくないでしょ。



なんとなく様子がおかしかったくらい、
わかる。

でも。

言わなくてもわかることと、
言ってくれなきゃわからないこともある。」



私の目を見て、西島さんが言った。

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設定タグ:AAA , 西島隆弘 , Nissy   
作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます!できるだけはやく、4をスタートできるようにがんばります! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kikiwingwingさん» いつもありがとうございます!色々Nissy事が嬉しくて忙しいですね☆続きもぜひよろしくお願いします! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます!年内には4をスタートしたいと思ってます。よろしくお願いします☆ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - えーーー二人で歩む道けーへんの〜〜とめっちゃ気になります。次シリーズ楽しみにしてますね (2018年12月19日 1時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
kikiwingwing(プロフ) - プロポーズって!!最高です!コメント久しぶりですが、毎日リリィさんの更新も楽しみに待ってますよ!!大好きです! (2018年12月19日 0時) (レス) id: 3cf9c9f18d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年10月14日 21時

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