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今まで女性関係の話題の少なかった
西島さんだけど、
実彩子さんや、千晃さんとだって、
噂になったことがある。
「一時的に騒ぎにはなるかもしれない。
だけど、唐沢さんの目的が、
西島さんを傷つけることなら、
そんな写真じゃ目的は達成できませんよ。」
西「A…。」
「それに。
いざとなれば、私。
マネージャーを辞めたって構いません。
マネージャーじゃなくても、
私は、彼女として、彼を支えますから。」
私は唐沢さんの目を見て、言う。
唐沢さんも、私のことを見てる。
絶対に負けないし、引けない。
自分から視線は逸らさない。
これは私が解決するべきことだから。
何秒?
何分?
そうしていただろう。
唐沢「アホらし。」
先に目を逸らしたのは唐沢さんだった。
唐沢「いつか、足元すくわれるよ。
そんなんじゃ。
世の中、悪い人間ばかり、だからね。
覚悟しておいたほうがいいよ。」
そう言って、
唐沢さんは私達を置いて
行ってしまった。
その背中が見えなくなって。
「…はぁ…。」
深く息をはいた私。
視線を落とせば、
未だ通話中の表示のままのスマホ。
電話を切ろうと思うのに、
スマホを持つ左手も、
タップしようとする右手も、
震えてしまって、うまく操作できない。
「あ…れ?
やだ、おかしいな、私。」
そう言う私のスマホを取り上げて、
西島さんが操作して、
私にスマホを返してくれる。
西「はい。
怖かったよな?」
そう言いながら、少しだけ笑う。
そして、
私の頭をクシャッと撫でる。
「西島さん…。
仕事、は?
こんなとこにいて…」
西「大丈夫だから、ここにいるの。」
「…はい。」
西「久しぶりにあったのに、
最初の言葉が、
仕事は?だし。
なんか、やっぱ、うん。
AはAだな。」
久しぶりに感じる、
その大きな手のぬくもりと、
照れたような小さな微笑み。
体を支配していた
緊張感とか恐怖感が薄れていくのを感じた。
「西島さん…。
逢いたかった、です。
ずっと。」
次に逢えたら、
最初に何を言おうか、ずっと考えていた。
でも。
逢いたかった。
ただそれだけしか、出てこなかった。
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リリィ(プロフ) - loversoul5296さん» うれしいコメントありがとうございます!同じ西島さん像を共有できて嬉しいです☆この先もよろしくお願いします! (2018年10月14日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます!3もスタートしましたので、これからも楽しんで頂けたら嬉しいです!最高にいい!の言葉、すっごく嬉しいです☆ (2018年10月14日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます!頑張ります☆ (2018年10月14日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
loversoul5296(プロフ) - 凄く引き込まれますね。しかし切なすぎて苦しすぎて。そんな西島さんすらかっこよすぎて(笑)現実の西島さんがどんな恋愛するのかわからないけど、リアルな西島さんに大切にして貰える女性はきっと素敵な人だろうなって。完全に私の中の西島さんはこの西島さんです(笑) (2018年10月14日 0時) (レス) id: a5209292a1 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - いい!いい!最高にいい!幸せになってもらいたいです更新楽しみにしてます。 (2018年10月13日 11時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年8月21日 15時