歩む道。2

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村「西島さんっ！お疲れさまです。」


ダンスレッスンの休憩に入ると、
ミネラルウォーターとタオルを持って
真っ先に西島さんのとこに駆け寄るのは、
ゆりかちゃんだ。


西「あぁ、サンキュ。」


西島さんは、
ゆりかちゃんの方を向きもせずそれを受け取る。
それでも、西島さんをニコニコと笑顔で
見つめるゆりかちゃん。


こんな光景もすっかり見慣れてきた。


衝撃の年始の発言から1ヶ月程が経ち、
彼女は宣言通り、
何よりも西島さんを優先していた。


最初はそのやり方に驚いていたメンバーも、
だんだん慣れてきて
またかという感じで苦笑い。


私もさくらさんと顔を見合わせて、
苦笑い。


西島さんは助けてくれとばかりに
私を見てくるけど、
これも曖昧な笑顔でスルーするしかない私。






それから…。



私達は一緒に暮らし始めた。


與さんはアメリカに旅立った。


少しずつ変わり始める環境。


まだ、自分の部屋はそのままで、
荷物も全部は運べてないけど。


行ってきます。
行ってらっしゃい。

とか、

ただいま。
おかえり。



二人での生活は順調に始まっていた。




西「なぁ、A。」


ある日の深夜。
仕事から帰るタクシーの中で
西島さんが話しだした。


西「あいつ、なんとかなんないの？」


「あいつって、ゆりかちゃんですか？

なんとかって、言われましても。
彼女、私の言うことは聞きませんよ。」


そう、ゆりかちゃんは、
私をライバルとして認識してる。
私がいる限り、
西島さんのマネージャーになれないから。

最初の宣言どおり、
西島さんしか目に入っていないのかも。


それでも、
サブマネの仕事はちゃんとしてる。
ただ、優先順位の一番目が西島さんだ。


「チーフにも様子見るようにって
言われてるのに、すみません…。」


ゆりかちゃんが、
私と西島さんの関係を知っているのかも
わからないし、
知られたらまずいと暗黙の了解なのか、
メンバーのみんなも
うまく対応してくれていた。



西「いや、Aのせいじゃないけど。」



でもとりあえず。

ゆりかちゃんは、AAAのサブマネで。
西島さんのオッケーが出ないから、
Nissyの仕事にはつかない。


だから。


こうやって二人の時間はまだある。

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